第7話 イメチェンとはそんな事とは言わない

萌は何故か知らないが髪の毛を切るらしい。

本当に良く分からない。

だが髪の毛を短髪にするらしく。

俺はその事に関して驚きながらだったが笑みを浮かべて反応した。


肩までの短い髪の毛にするらしいのだが。

そんな事を考えていると。

今度は花苗からメッセージが来た。

それはいきなり、隆っち!料理作った!!!!!、という感じのメッセージだ。


(何だいきなり。お前が料理得意なの知っているぞ)


(チッチッチ。甘いね。隆っち。私は遂に成功したのだよ。自分独特のちらし寿司の作りとかを!!!!!)


(ああ。あれって難しいって聞くよな。確かに。お前ってちらし寿司が好きなのか?)


(そうだね。あまり好きじゃない)


(いや何で作ったんだよお前)


うん。でも好きじゃないけど隆っちは好きだよね、と言ってくる。

俺は目を丸くしながら、確かに好きだが、と返す。

それから、それで作ったんだな、と笑みを浮かべながらメッセージを送る。


すると花苗は、うん。そう。私は君が好きなのを作りたい、とウサギの満面の笑顔のスタンプを送ってくる。

何で俺に拘るのかは謎だが.....。


(隆っち。何か食べたいのある?)


(そうだな。ああ色々あるけどその前に一つお願いがある)


(何?)


(もし良かったら萌に料理を教えてやってくれないか。アイツ何だか嘆いていたから。料理作れないって)


(うん。成程成る程。じゃあ私は、まあ家事を教えてもらおうかなぁ)


俺はその姿を見ながら笑みを浮かべる。

だがその後に、でも隆っち。私が萌ちゃんに教えるのは物々交換じゃ無いとしないよ〜、と言ってくる。


いやコラ。何でや、と送ると。

それは内緒〜、と言ってくる花苗。

俺は、?、を浮かべながらその姿をスマホの画面で見る。

何でコイツはこうなんだ。


(萌ちゃんとはチョッチ色々あるからね)


(意味が分からんのだが。まあいいや。取り敢えずは教えてくれるんだな?)


(そうだね。物々交換だから)


(全くお前という奴は)


(私は無料じゃ動かないから)


最低だな、と思っていると。

数秒、間が空いた。

それからまた返事が飛んでくる。

そこにはこう書かれている。

ねえ。もし、もしだよ?私か萌ちゃんが告白したら.....受けてくれる?、とそのまま送ってきた.....ファ!?


(い、いきなり何を言ってんだ!)


(こ、答えられる?)


(馬鹿かお前は。また小馬鹿にしているんだな!?そうだな!?)


(違うよ。これは真剣な話)


マジな文章を送ってくる花苗。

俺は顎に手を添えて考える。

それから傷付けない様にその想いに答える様に答えた。

すまない、と。

そして、俺は誰とも付き合う気は無いんだ、と。


(うん。まあそうだよね。アッハッハ)


(お前な!!!!!心配して真面目に言葉を選んだんだぞ!!!!!)


(だって期待してないものは期待してないよ〜)


でも。ちょっとだけ期待した、と花苗は書いてくる。

俺はその言葉に見開きながら溜息を吐く。

それから、女性と付き合うとなると真剣なお付き合いとなるだろうから。真剣な事を

しないといけないからな、と送る。

すると、うん。やっぱりしっかり考えているねぇ、と送ってくる。

それから花苗はニコニコマークを送ってきた。


(あ。そうだ。何か聞いた噂だけど髪の毛を切るんだって?萌ちゃん)


(そうだな。ってかお前。萌とメッセージをやり取りしたんだろ?)


(まあそうとも言うね。アハハ。まあでもそんな冗談は置いて。萌ちゃんが髪型をイメチェンするなら私もイメチェンしようかな)


(は?お前もか?)


(うん。でもまあ私のイメチェンはそんなに大きなものじゃ無いけどね。その、うん)


(具体的に何をイメチェンするんだ)


そうだね。イメチェンは私の身なりじゃないけど隆っちにお昼は毎回ご飯を作ってあげる事かな、と笑顔を浮かべる様なめ.....はぁ!?

俺は赤面しながらその文章を見る。


毎回昼に弁当って冗談だよな?

そんな事をしてこられるとめっちゃ恥ずかしいんだが。

ってかそれイメチェンとは言わないしな!


(私のご飯、食べてくれるよねぇ?食べてくれないと死んじゃうよ〜)


(肝心な所でメンヘラを使うんじゃねぇ!!!!!)


(え?でもメンヘラってこういう使い方だよね?)


(違う)


俺はそんな会話をしながらウトウトする。

それから夜で寝転んでいたせいかそのまま意識を無くした様だった。

そして翌日の事である。

俺は、隆っち、と呼ばれた。



「もう。起きないと.....大変な事になるぞ」


「.....んむ.....」


「き、きす、するよ.....」


「.....!?」


何か今とんでもない単語が聞こえた様な。

俺は思いながらガバッと起き上がる。

そして寝癖を感じながら周りを見渡す。

そこに真っ赤に染まっている褐色肌の女の子が立っていた。

ああ何だ.....コイツか。


「お、おはよう。隆っち」


「おはよう。かな.....え?.....お前何してんだよ!?何で俺の部屋に!?」


「やっと気付いた?実はね。私と萌ちゃんが検討した結果!なんと起こしに来ようという事になったのでした!」


「ハァ!!!!?」


腰に手を当てて立っている花苗の側をよく見ると。

姉さんがニタニタしながら部屋の入り口で俺を見ていた。

しかしコイツ.....。


いや萌もそうだが何でいきなりそんな事に。

俺は考えながら立ち上がる。

そして花苗を見ると。

花苗は真っ赤に.....なっていた。


「.....ふあ.....」


そんな言葉を呟き頬が朱に染まっている。

何事かと思って下を見ると。

パンツ姿だった。

ついでに.....生理現象が起こっている。

つまり.....男に朝に起こる例のアレだった。


「.....すまん。これは仕方が無.....」


「へ、変態!!!!?」


猛烈に真っ赤になった花苗に平手打ちを食らった。

そして撃沈する俺。

姉さんは大爆笑していた。

俺はそんな姉さんを見ながらプンスカしている花苗を見つつ。

グハッと吐血した。

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