第2話 おパンツと全開のパワー
萌と花苗とは昔からの幼馴染であるが。
簡単に言ってしまうと差があるのだ。
つまりどういう事か、と言えば。
俺と萌は小学校からだが。
花苗とは中学校からの幼馴染である。
つまり.....萌が先で。
花苗が後の幼馴染である。
これを幼馴染というのかどうか知らないが.....まあそういう事にしておこうと思う。
考えながら俺は目の前の萌とか苗を見る。
先程も言ったかもしれないがコイツらめっちゃアホなので.....成績が悪過ぎる。
勉強しないから、だ。
特に花苗なんか推薦で突破したがギリギリである。
県立だがスレスレなのだ。
「わか.....んない.....」
「諦めるな。花苗」
「グァ!」
「そうやって死んだふりしてもダメだ」
「.....ぷー。隆っち冷たすぎ」
「当たり前だろ!!!!!お前進級出来んぞこのままでは!!!!!」
一学年下だけどよ!!!!!
二年生に絶対になれんぞ!!!!!
俺は花苗の頭を拳で捻る。
ぐぁあああ、と悲鳴を上げながら青ざめる花苗。
ん?
「.....そういや萌は集中して.....絵を描いてんな!!!!!」
「エヘヘ。ねえ。絵で3人を描いたよ」
「絵を描いても逃げれんぞ!良い加減にしろ!!!!!」
「殺すよ?」
「ヤンデレでも逃げれないからな!!!!!」
ぶー。隆のアホ、と言いながら頬を膨らませてノートを捲る萌。
全くコイツらときたら何をするかも分からん。
俺は考えながら花苗を見る。
花苗はちょこんと俺の膝に座っていた。
何やってんだ。
「特等席」
「.....ああそうだな。じゃあこれでどうだ」
俺は花苗の腹に手を添えて逃げれなくする。
所謂、ジェットコースターの安全装置みたいに。
花苗は、卑怯な!、と言いながら暴れる。
勉強すっぞお前ら。
俺は言いつつ真剣な顔で萌と花苗を見る。
「つまんないよー。勉強!!!!!」
「そうだね.....花苗ちゃん」
「いや。お前らな。赤点はマズイからとにかく回避するぞ」
「もー。数式とかわけわかめぇ」
言いながら花苗はズシャッと倒れた。
俺はその花苗を見る。
するとゴロンと寝っ転がった拍子に水玉のパンツが見えた。
俺は、オイ。パンツが見えるぞ、と告げながら教科書を見る。
花苗は、ぷー!、と言いながら頬を膨らませる。
「態と見せているんだけど」
「変態かお前は」
「パンツって下着だよ?エロいよ?.....別に中身が見えている訳じゃないんだから」
「アホかお前は!!!!!」
わー。隆っちのエッチー、と言いながらニヤニヤする萌と花苗。
萌はニヤニヤしていた。
コイツら.....という奴は。
思いながら俺は2人にチョップした。
それから、勉強!、と言う。
「女の子のおパンツ見ていてそれすか?死ぬよ?」
「.....お前のパンツなんぞ見ても仕方が無い。見飽きた」
「.....ふーん。確かに見飽きているかもね。じゃあパンツ脱いだら?」
「あのな.....」
まあそれは流石に恥ずいわ、と言いながら花苗は、エヘヘ、と苦笑する。
俺はその姿を見ながら溜息を吐きつつだったが。
花苗は起き上がる。
それから、仕方が無いね、と言いながら勉強を始めた。
萌は、花苗ちゃん勉強するの?、と聞く。
花苗は、そうだよ。だって赤点取ってばかりじゃ意味無いしね、と言う。
そして俺にニヤッとする。
「何かご褒美も貰えるかもだし。貰えないと死ぬ」
「上手い事、メンヘラを使っているみたいだがやらんぞ」
「じゃあ勉強しなーい」
「お前は子供か!!!!!」
「15でーす」
「舐めんなコラァ!!!!!」
全くコイツは!
俺は思いながら顎に手を添える。
そして2人を見てからニヤニヤした。
分かった。じゃあ赤点回避したら報酬をやろう、と言いながら。
2人は、マジで?、と向いてくる。
俺は今までの小馬鹿の復讐のつもりでそれを言う。
「デートしてやるよ。お前ら」
「.....!!!!?」
「!!!!?」
ボウッと火が点いた様に真っ赤に燃え上がる2人.....え?
これは予想外の反応なんだけど。
まるで赤面の様に見える。
恥ずかしい、と言える様な、だ。
何だ一体。
「そ、それは.....」
「うーん.....」
「.....いや。さっきまでのノリは何処に行ったんだ。冗談のつもりで言ったんだが」
そもそも幼馴染ってかコイツら。
つまり萌も花苗も俺を小馬鹿にして相手にしてないし.....冗談のつもりで言った。
なのになんだこの反応は?
恋愛感情でも抱いていると?
そんな馬鹿な、と俺は眉を顰めながら見ていると。
「でも俄然やる気が出てきた」
「確かにねぇ」
「.....???」
赤く炎でオーラが燃え上がる2人。
意味不明だが。
何かやる気に満ちて来たぞ。
どうなっているのだ。
俺は必死に顎に手を添えて悩むが。
理由が見つからない方程式が完成していた。
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