8 そして旅立ちへ


 私はルーファスたちと別れ、新たな国を目指すことにした。

 次の目的地はバーンレイド帝国だ。


 兵力なら、大陸最強と呼ばれる修羅の国。

 当然、魔族の大侵攻においても人類側の要となる国の一つである。


 その国に続く街道を――私は徒歩で進む。

 正確には、走って進んでいる。


 馬車は使わないことにした。

 ひたすら走ることで鍛錬するのだ。


 両手両足には『闘神の塔』で得た手甲脚甲を付けている。

 これのおかげで力を出しても、体への負担はかなり少ない。


 ざざざざざ……っ。


 砂煙を上げながら、私は走る。


 さらに走る。


 途中、隊商らしき馬車群をいくつか追いこしたが、誰もが目を丸くして私を見ていた。


「な、なんだ、今のは――」

「に、人間が馬車より早く走って……?」

「い、いや、きっと幻だ……」


 などと、驚きの声を置き去りに、私はさらに走る。


 と、突然前方で赤い光が弾けた。

 真紅の、爆炎――。


「むっ……!?」


 私は急ブレーキをかけ、その場で身構えた。


 前方ですさまじい威圧感が膨れ上がる。


 ただものではない。

 これほどのプレッシャーは……魔族ラシェルや塔の麒麟、あるいは騎士王ネヴィルと同レベル。


 あるいは、それ以上――!?


 ごばああああああっ……!


 前方で真紅の輝きが弾けた。

 同時にすさまじい熱波が吹き抜ける。


「くっ……!」


 私は前方に向かって拳を繰り出した。


 大気を裂き、空間の断層を作り、押し寄せる熱をその中に吸い取る。

 こうしなければ、火傷くらいではすまなかっただろう。


「あ、ごめんね~。久々に人間界に来たら、ちょっと勢いが付きすぎたかなぁ……火傷しなかった、ガーラ?」


 くすくすと笑う声がする。

 真紅の輝きがゆっくりと晴れていき、そこに一人の少女が出現した。


「君は――」

「ひっさしぶり~! っていうか、あんた本当にガーラ!? 若返ってない!?」

「というか、転生したんだが」


 私は苦笑交じりに彼女を見つめた。


「久しぶりだな、炎竜王フレア」







***

【お知らせ】

本作を12月から始まるカクヨムコンに出してみようかと思います。

カクヨムコンには読者選考があるのですが、これは選考期間内の☆フォローの数で競われるようなので、できるだけ期間内に更新した方が中間選考突破に有利になります。

なので、申し訳ないのですが、今回でいったん更新を中断し、次の更新はカクヨムコンスタートの12月にしたいと思っています。

しばらく間が空くのですが、気長にお待ちいただけましたら幸いです。

***


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