6 ルーファスを説得する
来たるべき魔族ラーガード軍の大侵攻。
それに備える戦力として、ルーファスにも力になってほしい――。
そう頼むために、私は彼の行方を求めていた。
「うーん……面倒だなぁ」
ルーファスは予想通りの答えを返してきた。
「君はきっと大きな戦力になるはずだ。お願いできないか」
「そういうのは性に合わないんだよね」
ぽりぽりと頭をかくルーファス。
「僕は好きな魔法の研究だけやって、寝たいときに寝て、まったり過ごしたいんだ」
「世界中で多くの人が襲われるかもしれないんだ」
「自分のことは自分でやるべきだよ。それが世界のルールだろう」
ルーファスが微笑む。
「力がないから――力がある者に全部押し付けるのかい?」
「力ある者が力なき者を守るのは務めだろう」
「僕はそう思わない」
ルーファスはにっこりとした笑顔のままだ。
「考えが違うみたいだね」
思った通り――いや、思った以上に彼の意志は変わらないようだ。
誰にも影響されず、流されず、自分の思うままに生きていく――。
それがルーファスらしさなのだろう、と短い付き合いの中でも、よく理解できる。
だが――やはり惜しい。
「じゃあ、こういうのはどうだ? 君が対魔族戦線に参加してくれるなら、『賢者の石』を譲ろう」
「よし乗った」
「早いな!?」
こんなにあっさりと説得できるとは思わなかった。
さすがに私は苦笑を通り越して、呆れてしまったのだった。
「まあ、君が加わってくれるのは非常に心強い。多くの人の力になって欲しい」
「うん、だから『賢者の石』ちょうだい」
ルーファスは目をキラキラさせて、私が持っている『賢者の石』を見つめている。
「あ、ああ……」
私はそれを彼に渡した。
契約成立、だ。
***
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