28 迫る脅威


「魔王神……?」

「七体の魔王を束ねる魔界の神さ」


 アレクが語る。


「さすがにそれは阻止しなければ、な」


 もしラーガードがそんな力を得てしまったら、かつての『黒の魔王』以上の脅威である。

 おそらく世界は滅亡するだろう。


「ああ、よろしく頼むよ。私は世界に関して直接は関与できない。君たちにこうして働きかけることしか、ね」


 微笑む彼。


「代わりに永遠に近い命を得ているが――しょせんは見守るだけの存在だ」

「問題ない。この時代のことはこの時代の私たちが解決するさ」


 私は胸を張った。


 そう、戦うのはいつだって、今を生きる者たちだ。


 そうしてこの時代を守り切り、次の世代へとバトンを託す――。

 そうやって人間の世界は続いていく。


 魔族に壊させはしない。


 私はあらためて決意を強くした。


「奴らはこの転生装置を狙ってくるだろう。これを奪い、奴が持っているパーツと合わせ、完全な装置に戻そうとするはずだ」


 語るアレク。


「では、私たちがすることは、この装置を死守すること。そして奴らの持つ残りの装置を奪い返すことか」

「そういうことだね。とはいえ、塔内にとどまって装置を守り続ける……というのは難しいだろう」

「ああ。私は世界を回り、各国に魔族防衛について提言している。ここにとどまり続けるわけにはいかないな」

「では、装置の一部を君に託そう」


 アレクは装置に手を触れ、何かを取り出した。


「鍵……?」

「この装置の起動キーさ。これがなければ転生装置は作動しない」


 説明するアレク。


「君が持っているのが一番安全だろう」


 と、私に向かって鍵を差し出した。


 金色に輝く美しい鍵だ。


「責任をもって預かろう」


 私はそれを受け取る。


 小さな鍵は、ずっしりと重く感じた。








***

〇『いじめられっ子の俺が【殺人チート】で気に入らない奴らを次々に殺していく話。』

こちらも連載中です! 下のリンクから飛べますので、フォローや★の応援をしていただけたら嬉しいです! ぜひお願いします~!

https://kakuyomu.jp/works/16817139556336546394


〇読んでくださった方へのお願いm(_ _)m

よろしければ、☆☆☆をポチっと押して★★★にしていただけると、とても嬉しいです。

今後の執筆のモチベーションにもつながりますので、ぜひ応援よろしくお願いします~!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る