18 最後のフロアボス
「す、すごい、ナターシャさん、つよーいっ、かっこいい!」
アリスが目を輝かせた。
「ありがと、アリス」
「えへへ、ちょっとファンになっちゃった」
「……やるな」
シュナイドもナターシャを見る目が変わっていた。
「大したものだ」
そして、私も。
正直、ここまでの実力とは思わなかった。
かつての魔王大戦を思い起こしても、これほどの魔術師は三人いたか、どうか。
私たちはさらに進んだ。
道中をなんなく通過できたのは言うまでもない。
このパーティは本当に強い――。
そして、50Fの手前の階段で、またモンスターと遭遇した。
「五体目のフロアボスか」
黄金の体毛の四足獣で、全身から燐光を放っている。
麒麟。
東方大陸でまれに出現するS級のモンスターだが、まさかこんな場所にいるとは。
「言い伝えによれば、あれが最後のフロアボスよ」
ナターシャが告げる。
私はあらためてそのモンスターを見据えた。
今までの四体とは明らかに威圧感が違う。
格が、違う――。
「ほう。人間がこのフロアまで来るのは五十年ぶりだぞ」
麒麟が嬉しそうに言った。
「少しは楽しませてくれるのか――どれ」
ぶるるっ、と体を震わせる麒麟。
その全身が白煙に包まれ――。
次の瞬間には、しなやかな体つきの男に変わっていた。
外見年齢は四十前後か。
渋みのある精悍な顔立ち。
身にまとっているのは黄白色の胴着。
「むんっ!」
ノーモーションから、いきなり正拳突きを放った。
ごおおおおっ……!
その風圧が衝撃波と化し、私たちを襲う。
「むうっ」
私も同じく正拳突きを放った。
生まれた風圧が衝撃波になり、麒麟の衝撃波とぶつかり合う。
「きゃあっ」
「くっ……」
「うあっ……」
いくつもの悲鳴が響いた。
アリスやシュナイド、ナターシャ、そして魔術師たちがまとめて吹き飛ばされる。
一瞬にして、全員が動けなくなる。
「ただの衝撃波ではないな。麻痺効果か、あるいは――」
「【停止】のスキルだ」
麒麟が語った。
「お前以外は、しばらく動けんぞ」
***
〇『いじめられっ子の俺が【殺人チート】で気に入らない奴らを次々に殺していく話。』
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