/27





「おじさん、…ありがとう。」


 絞り出すように言う少女の言葉に、



「こちらこそ。」


 そう告げた男性も、ネコに向かい合います。




「キミがいて、私の人生はとても豊かで幸せなものになった、ありがとう。」






「私も!とても!ネコさんと会えて、とても幸せだった!これからも思い出して幸せになる!!…ネコさん!ありがとう!!」



 泣きじゃくりながら、少女も必死にネコに話しかけます。




「ありがとう。」と男性が、


「ありがとう。」と少女が、



 冷たくなったネコの体をなでながら、2人はそっと、ネコを悼みました。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る