/23
「にゃー…。」
弱々しく鳴く姿に、少女は優しく話しかけます。
「ネコさん、こんにちは。久しぶりだね。元気なさそうだけど…、元気…?」
「にゃー…。」
絞り出すような声に、元気の良さは微塵も感じられません。
「おじさん。ネコさん、全然元気じゃない。大丈夫かな?」
男性が、ネコに近付きました。
「どうだろうな。」
そう言い、手を伸ばして様子を確かめます。
「にゃー…。」
声にならない声が、少女の耳には、聞こえました。
「おじさん。」
緊迫した表情で、少女が、男性を見ました。そこには、まっすぐネコを見る男性の姿がありました。
「にゃー…。」
今度は、男性の耳にも、声として聞こえたその声に、男性も少女も黙ります。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。