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 また別の日、女の子は、ガーデニングにやって来ました。




「ネコさん、こんにちは!」



 いつもの場所にいるネコを見つけて、女の子は元気に話かけました。



「にゃー。」



「おじさん、まだ帰ってない?」



「にゃー。」




「そっかー…。……これは事件かな?」



 女の子は、右往左往し始めます。




「赤なような、青なような、白なような……。」



 お花のことを言ってるのでしょうか。



「おじさんが帰って来るまで、あたいがここを守る!!」




「にゃー。」


 これまた、ネコの鳴き声は普段より大きい気がしましたが、相変わらず女の子には気付かれません。




「ネコさんも、一緒にここを守ろうね。」


「にゃー。」


「あくしゅー。」



 と、ネコの手をとる女の子。





 さっそく、庭の手入れに取りかかります。



「何から始めればいいんだろう…。ネコさん知ってる?」



「……。」



 聞こえなかったのか、不機嫌なのか、ネコからの返事はありません。





「まぁいっか。まずは、お水あげてー、お花の元気がないから、肥料たくさんあげよう!!」





 ……たくさんのお水と、たくさんの肥料をあげた女の子は、顔を泥だらけにして満足そうに帰っていきました。






「にゃー。」







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