限界中年の超級チート成り上がり転生記 ~願望にとりつかれた無能な独身男が ≪無自覚無双≫ で異世界最強まで上り詰める!!~
第61話 いつも選択と決断に悩まされる。どれが最適解なのか。そうだな、まずは……
第61話 いつも選択と決断に悩まされる。どれが最適解なのか。そうだな、まずは……
色々とあったものの、何とか無事にランクアップできた幸いだった。
だが、俺はまたもやノエルとユエ姉妹と別れた際の葛藤を再び味わっていた。まさしくそのままの意味で。
具体的に言えば、このパーティーにもう少し加わっておくべきかどうか、それを今すぐにでも決めなければならない。
どのメンバーも人間性に問題は無い。むしろこれ以上の面子を揃えるのは難しいほどのパーティー構成になっている。
普通の冒険者ならばこのパーティーにいた方が居心地よく感じるだろう。何しろバランスが取れていて、しかも各メンバーが強い。料理も美味い。
さて、俺はどうするべきか?
とは言うものの、実際のところ今回はそれほど悩まなくてもよい。なぜなら頭の中でほとんど答えが出ていたからだ。結論から言えば、やはり俺はこのパーティーを抜けることにした。
もっともらしい理由としては【己の無能さや無力さ】を痛感したのが大きい。
傍からみると、先の魔物討伐ではFランク冒険者としては最大級の貢献をしたとみなせるだろう。実際のところ、高ランクの魔物『フレア・ウルフ』を討伐し、そして『ホーン・ディア』の素材も自力で狩ることができた。さらには、単独で盗賊団をも殲滅した。まぁ、十分すぎる成果と言えなくもない。
しかし、戦闘系魔法は火焔のみしか使えないという弱点が大いに露呈してしまった。さすがに単一系統の魔法しか発動できないのはこの世界において致命的だ。
異なる属性の魔法を最高の領域で使いこなすことで、様々な強敵と初めて対等に対峙できるようになる。この単純な事実に気が付くまであまりにも時間がかかり過ぎた。
そして実戦経験の不足から生じた不慣れな戦闘も見逃せない。
なにせ自分の靴紐で肝心な時に大ゴケするという大きな失敗をしてしまったのだから。
あの時、超が付くほど強力な戦闘火焔魔法が一瞬で発動しなかったら俺はあの場で死んでいた。
そうでなくても、フレア・ウルフが俺の戦闘火焔で焼き切れなかった場合でも同様だった。
仰々しくギルドで冒険者が細かくランク分けされていて、しかも昇級が厳しいのには理由があるのだ。ただし、その審査とやらが度を越して厳しいのには全く納得していないが……。
まぁ、これについては、おそらく冒険者ギルドには “何かがある” と俺の勘がささやいてくる。
これまでの感触からすると、ギルド内部の職員でも対応にかなりの温度差がある。そのため、まだ会ったことのないギルドの頂点に君臨する地区長がきな臭い。
このように長々と述べたところで、やはり魔法能力のバランスの悪さは心もとない。まずはこれを何とかするのが最優先課題だろう。
一言でいえば、火焔魔法以外の魔法が無いとダメだ。そのために俺が取るべき行動となれば、たった一つの選択肢しか残っていないはず。
すなわち、『多くの魔法を獲得すべき』ということに他ならない。なので、将来的にパーティーに加わるか、あるいは結成するか、等の課題も今はひとまず棚上げだ。ひとまず後回しにしよう。
優先すべきは他の属性魔法の習得だ。
そうだ、旅に出よう!
今がちょうどその絶好のタイミングだ。
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