第126話 結婚式の準備

卒業式の日に告白してからは凄く早い時の流れを味わった。


卒業後の進路のために、レイカが進めるタワーマンションの工事を手伝ったり、現場に差し入れしたり、他の施設を視察したり、現場監督をしてみて大変さを実感した。


「男性がいなくても、工事器具の発展で凄いスムーズに作れるんだな」


ムキムキな女性ばかりがいるのかと思ったが、工事現場のお姉様方も綺麗な人が多かった。

どの分野の女性も身だしなみには気をつけているようで、引き締まった感じの女性が多い。

現場着もオシャレな感じでファッションショーに出てもおかしくないように思える。


「げっ、現場監督」

「はい」


背の低い子に呼ばれて振り返る。


「こちらに判子をお願いします」

「はい」

「あっ、あの」

「うん?」

「現場監督が見守ってくれるお陰で、仕事が捗ります。ありがとうございます」


どうして俺が居ると仕事が捗るんだろう?


「俺は何もしてないよ。みんなが頑張ってくれているお陰だからありがとう」

「あうっ!」


何故か赤面して走り去ってしまった。


「ようよう、現場監督」

「うん?ウメさんどうかしたのか?」

「若い子を誘惑してんなよ」

「誘惑?俺は何もしてないよ」

「ハァ~男が居るってだけで、女どもは浮き足立つっての」

「ああ、そういうことか」


よくある現場に女性がいるとセクハラするオッちゃんがいるような感じかな?


「たく、無防備すぎだろ」

「そうか?まぁ、俺に出来ることをしているだけだよ」

「それにしてもなんであんたみたいな綺麗な男がここにいるんだよ」

「うん?ウメさん知らないのか?」

「何をだよ」

「ここ、全部俺のだよ」

「はっ?」

「だから、俺の家をみんなに手伝ってもらって立ててるんだよ」


俺の言ったことが理解できないようでウメさんが口を開けて呆然としている。


「はは、ウメさんは一番仕事をしてくれてるから信頼してるよ。よろしくな」


現場に出るようになって、仕事の人たちに差し入れをしながら家を作りを頑張った。

それから数ヶ月は現場仕事をして、レイカからお呼びがかかった。


「ヨルは随分と日に焼けたわね。それに逞しくなった?」

「はは、だろ?いくら機械を使ってても全部が全部機械ってわけにはいかないからな。手伝えるところは手伝ってたんだ」

「もう、ヨルはそんなことしなくてもいいのに」

「俺が身体を動かしたいんだよ」


レイカと会食をしながら結婚式の打ち合わせをする。

最後の大詰めまで呼ばれることはなかったが、タキシードの寸法合わせや会場の入り時間などを伝えられる。


「こういうのは男性が本来喜んで準備するんだけど。わたしたちがしてよかったの?」

「もちろん、こういうのは苦手なんだ。同時にみんなの綺麗な姿を見れるのを楽しみにする方がいいよ」

「ふふ、本当にヨルは男性なのに変っているのね」


貞操概念逆転世界に住んでいる、男性の方が変っているけどな。


女性よりも着飾って、愛嬌を振りまく男性達。


「なぁ、レイカ?当日は皆が一番綺麗に輝くようにしてほしい」

「わかっているわ」

「俺は額縁でいいからさ」

「額縁?」

「ああ、綺麗な花の絵を飾る額縁として凜としているからさ」

「また、変ったことを言うのね」


レイカは出会った頃から、雰囲気が柔らかで癒やし系である。

胸も大きくて、本人はコンプレックスにしているけど……俺は大きな胸が好きだ。


「レイカ」


ホテルの一室へと移動してレイカと二人きりになる。


「もう、ヨルは甘えん坊ね」

「いいだろ。レイカにこんなことを出来る奴は俺だけなんだ」

「そうね。でも、私の胸は」

「綺麗だ。俺は凄く好きだよ」

「ええ。知っているわ。だから大変なのよ」

「そうなのか?」

「あなたにいつまでも綺麗だと思ってもらいたいもの」


俺はレイカを抱き上げて一緒にシャワーへと誘う。

スイートルームのお風呂は二人が入っても広いスペースにお風呂から、夜景が見下ろすことができる。

綺麗なレイカの肌をゆっくりと手に泡をつけて洗っていく。


「今日はサービスがたくさんね」


俺は自分の身体にボディーソープを流して泡立たせる。


「ああ。存分に感じてくれ」


レイカの奉仕するように全身を洗い流していく。


「ふふ、くすぐったい」


大きなお尻にキスをして、身体をすりあわせるように泡立てる。


「ハァ~」


唇を塞いで、キスを重ね。

大きな胸の上を泡でスベらせ、太ももの間へ膝を入れる。

ゆっくりと痛みが走らないように丁寧に愛撫していく。


「もう、ズルいわ」


身体についた泡を洗い流して、浴槽でイチャイチャとレイカが俺の身体を好きに触る。


「ねぇヨル」

「うん?」

「私のドレスは胸を出す方が良い?」

「ああ。絶対そうしてほしい」

「ふふ、ヨルも好きね」

「ああ。大好きだよ」


俺はそう言ってレイカの胸を後ろから持ち上げて力を込める。


「んん、ハッア~~」


身体を拭いて、ベッドまでレイカを連れて行くまで時間はかからなかった。


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