side記者 ー 終 東堂麗華編
【Side記者】
わっ、私……本日死ぬかもしれません……
まさか、応じてもらえるなんて思いませんでしたので、正直緊張と緩和を繰り返す面白フェイスになっている自信があります。
「っほほほほほ、本日は!!!!取材に応じていただき!!!ありがとうございます!!!」
口が自分の物ではないのかもしれません。
まったく言うことを聞いてくれないほど、呂律が回らん。
「ふふ、そんなに緊張しなくていいわよ」
柔らかな髪型に温和な雰囲気。
大和撫子という言葉があれば、まさに目の前の女性を差していうのでしょうね。
でも、何故か物凄い威圧感を感じるのは私だけでしょうか?
「あっ改めて、本日はよろしくお願いします。それでは取材を始めたいと思いますが……えっ、わたくしこのような高級なところに来たのは始めてですので不作法があればどうぞ遠慮無くおっしゃってください」
そうなのだ。私は都心の一等地にある一日一件しか予約を取らないという高級料亭に来ております。
東堂麗華様のご指定場所であり、わざわざハイヤーの出迎えまでありました。
「何も気にしないで好きなように食べてくださっていいですよ」
正直、唾を飲み込んでばかりで料理が食べれる気がしません。
「まっまずは、取材からさせて頂きます。東堂麗華様は普段は何をされておられるのでしょうか?下々の私どもでは何をされているのか想像もできないため、漠然とした質問ですいません」
「そうですね。皆さんと同じで普通だと思いますよ。平日は仕事をして、休日には家族と過ごしております」
「へっ、平日の仕事を内容をお聞きしても?」
「はい。仕事は、経営は皆さんに任せていますので、報告書を読むことがほとんどですね。所有している土地や会社の管理人?が主な仕事です」
会社の管理人って何?そんな人に会ったことないんですけど!!!株式投資じゃないの?オーナー業的な?規模がデカい!
「そっ、それでは休日は家族と過ごすということですが、旦那様と過ごすのですか?」
「そうですね。彼は忙しいので、毎週というわけにはいきませんが、それはそれでお互いのプライベートな時間を取れていると思いますので、気楽でいいですよ」
なんだろう。凄く敗北感……めっちゃ色々な余裕があると言うか……本当に25歳?もう、何年も先輩に見えてくる。
「最後に……どうして取材を受けてくださったのですか?」
「それは二つの理由があるの」
「二つですか?」
「ええ。一つ目はみんなが面白いって言っていたあなたに会ってみたかったの」
「私!!!」
「ええ。私はね。綺麗な子が好きよ。それは男性でも女性でも、テルミちゃんが、凄くあなたのことを褒めていたわよ。面白くて綺麗な子がいるって」
最上照美様を思い出す。
童顔の優しい雰囲気で可愛い女性。
あった瞬間に好きって思える人だった。
「それにタエやヒナタが恥ずかしいことを聞かれたとも言っていたわね」
カッコイイタエ様
女神なヒナタ様
「ツキも、ランも面白かったって」
ツキ様はクールビューティーと恥ずかしがるギャップ萌え!!!
ラン様はサバサバとカッコイイのに意外に天然?な人だった。
「それと……ヨルが」
「あわわわわ」
「ふふ、褒めていたわよ。綺麗でメガネが似合っていたって」
ボフッ!!!顔が熱い。
「だからあなたに会ってみたかったの」
「あっ、ありがとうございます!!!」
つい、声が大きくなってしまう。
「ふふ、本当に可愛くて面白い人だったわ。だからこそ、あなたにもう一つの目的であるお願いをしようと思うの」
「お願いですか?」
「ええ、私の話を書いてくれないかしら?」
「私たちの話……ですか?」
「ええ。私たちの出会いから、死ぬまでの家族の話。もちろん、五年前に行われた彼の発言と結婚式もお願いできない?」
今、日本中が注目している黒瀬一家の話を私が取材を通して執筆できる?
「そっ、それは何冊ほど?」
「さぁ?あなた次第だし、読みたい人次第?」
頬に手を当てて首を傾げる姿すら様になる。
悩む必要などない。
だって、言われたときから思ったんだ。
面白い!!!
「わかりました!!!お受けさせてください」
「ふふ、よかったわ。あなたなら受けてくれると思ったの。あっそれとね。ヨルから一言」
「はい?」
「もしも、話を受けてくれるなら妻に来ないか?だって」
「えっ?」
「本人から言いたいって言ったんだけど。そこは家族になるわけだから家長の私から言うってことでね。どうかしら?もちろんこれは強制ではないし、妻にならなくても執筆は頼むつもりだから断ってもらっても全然かまわないわ」
はは、そんなの答えなんて……
「喜んで!!!お嫁さんにしてください!!!」
私が取材を始めたのは【邪神様】がずっと大好きだったから……
「それはよかったわ……あなたが作ったサイト。【邪神様】信者の集い。は素晴らしかったわ。エイトさん。本名はエイミだったわね」
ハンドルネームを言われて私の背筋はブルッと寒気がした。
「えっ?」
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