side生徒会 ー 書記編 IF

前書き



この話は、本編とは一切関係なく。


もしも、こんな話だったらと裏話です。



実際には、行われておりません(笑)



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【最上照美】



私は……自分でも知らない世界を……教えられてしまった。


不意打ちで、私の脳を焼き尽くす出来事を味わってしまった。


年下で男性、私は少し苦手で迷惑だとすら思っていた。


ただ、それは興味本位だった。

彼に言われるがままに目を閉じたことを、今でも私は後悔と恥ずかしさと共に思い出してしまいます。


私は幼い頃から声楽を習い。

美しい歌や声を聞くのが好きでした。



そんな美しい音を愛した私の耳に、彼の低く男性らしい優しい声が耳から脳へ侵蝕を進めていく。



「…………テルミ………お疲れ様」



彼の声が耳を犯し、脳を犯し、心を犯してしまった。



思い出すたびに下着が濡れてきて、「あっまた」夜になると自分を慰めなければ眠れなくなってしまいました。



学校に行けば、彼の声を聴かない日はありません。

教室で彼の動画が再生され、生徒会でも、彼の動画が再生されて耳に届いてしまします。


最近では下着を毎日三枚は持ち歩かなければ大変なことになるようになってしまいました。



それもこれも、全て彼のせいです。


彼が私にあんな事さえしなければ平凡な毎日が送れたのに。


そんな折、彼が所属する男子応援団と合同合宿が行われることが決まってしまいました。

嬉しさと共に不安を感じずにはいられません。



なるべく彼の声を聴かないようにしよう。


そう思っていたのに、同じ車!!!



「お久しぶりです。黒瀬君」



彼を見ただけで少し下着にシミが……モジモジとももをすり合わせてなんとか挨拶が出来ました



「お久しぶりです。今回は応援団の合宿に会長の別荘を貸していただけるそうで。ありがとうございます」



彼の丁寧で優しい声が脳内で反響します。


「ふふふ、全然良いのよ。皆さんがレベルアップすることで、青葉高校がますます発展できることはすでに証明されていますからね」


「そっそうですね。皆さんの動画の再生回数が、それはもう凄いことになっています。

トップnewtubebarのヒデブンさんも注目しているって言ってましたよ」



彼の声を聞いて興奮してしまいしたが、私の大好きなヒデブンさんのお話が出来て少しでも気分を変えなければいけません。



「ヒデブンさんって誰だべ?」


「私も存じ上げませんね」



えっ?二人とも知らない?私はオタクなんでしょうか?ですが、登録者数も100万人を超えられていて凄い方なんですよ。



「えっと、ネットの動画投稿サイトで凄く有名な方です。僕も拝見させてもらっています」



意外にも彼からヒデブンさんの名前が出て、フォローしてくれたことで私の胸が熱くなります。



「そうなのね。私も応援団の動画を拝見させてもらっています。水泳部にバレー部。次はどこに行くのかいつも楽しみですよ」


「いやいや、僕らはまだまだ練習不足なので、今回の合宿でレベルアップ出来ればと思っているんです」


「黒瀬君は、男性であっても努力を怠らないのね。素敵だわ」



会長と彼が話をして、会話が弾む。

黙ってしまうと彼の声が車という密室で良く聞こえしまう。私はだんだん体が熱くなるのを感じきて。



「そっそんことよりも今回はどこまで合宿に行くんですか?」


「千葉にとてもいいところがあるのよ。皆さんのレッスンに使える宿も手配しているわ。それに私たち生徒会は夏の慰労会もかねているの」


「慰労会ですか?」


「ええ、私も三年で今年が青葉高校最後の学園生活です。ですから、後輩の子達に思い出をプレゼントしたいと思ってね」


「そうだったんですね。優しいんですね」



会長を褒める彼に私は叶わないと思いつつ、少しだけ嫉妬してしまいました。



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初日からヨル君が海に行くと言うので、女子全員でビーチでお出迎えをすることになりましま。


私は妹のハルミちゃんとお揃いで買った花柄ビキニに着替ます。



カホちゃんのようなモテボディーではないので自信はないけれど。

巨大な脂肪の塊を持つ会長よりも私の方がプロポーションのバランスは良いはずだから、彼が見てくれるかもしれない。



淡い期待をしていると、ヨル君が現れました。



ヤバい。ラッシュガードを着ているのにもうエロい。



今が水着で本当によかったと私は思いました。

濡れていても絶対に誰からも何も思われない。



会長とヨル君が話しているのを聞いていて。



「責任ある仕事を任されても負けない人

誰かの支えになれる人

弱音を隠して強くあろうとしている人

自分のことよりも他人を優先しちゃう人」



女性のタイプの話になり、ヨル君が発する声はもしかしたら私のことを言っているのではないかと錯覚してしまいます



生徒会と言う責任ある仕事を任され。

誰よりも真面目に仕事に取組み。生徒の皆さんの支えになり。

学校と勉強の大変さに弱音を吐くことなく主席をキープして。

自分よりも皆さんを優先して一歩引いた立ち位置にいます。



全て私のことではありませんか?

もしかしてヨル君は私のことが好きだったのでしょうか?



そのあとは考えれば考えるほど体が熱くなってしまう私は海へと入って体を冷やそうを思った。

泳ぎは苦手ですが、浮き輪があれば問題ありません。



ヨル君の声。

ヨル君の好み。

ヨル君の水着。



私の頭をいつの間にか、ヨル君で埋め尽くされてしましました。

先ほど彼がラッシュガードを脱ぎ去って海へ飛び込んだ姿は目に焼き付けています。



今私は海に浮いて濡れているのでしょうか?冷めぬ身体はますます火照るばかりです。



「セイヤ?」



不意に妄想していた彼の声が聞こえて、私は驚いてしまいました。



「ひゃい!」


「あっすいません。間違えました」


「いっいえ。だっ大丈夫ですよ」



彼が申し訳ない様子で謝罪を口にしてくれるが、彼の姿に私は頭が真っ白になってしまいました。

上半身に一糸纏わぬ彼が目の前にいる。

背中じゃない。正面から彼を直視していたら私は死ぬ。



「あっ!」



タイミング悪く波にさらわれて、浮き輪がひっくり返りました。



「きゃっうわっ私、およげ」



私は必死な思いで何かに捕まろうとしてジタバタを暴れていると急に抱きしめられた。



「へっ?」


「大丈夫ですか?泳げないのに、こんなところまで来ちゃダメですよ」



呆然とする私の耳元へ彼の声が響きます。


あっ!これはダメ!


耳がまた犯される。



「ほら、捕まってください。俺が支えておきますから」


「ひゃ!」



海の中で私は盛大にお漏らしをした。



「大丈夫ですか?このまま岸まで連れて行きますね」



浮き輪を掴んではいるけれど。

泳げない私を彼が抱きかかえて泳いでくれる。



これが現実なのか、夢なのか、もうどうでもいい。


私から漏れ出た大量のお汁が海に混ざって彼の足へと注がれる。



「ヨル、隠そうね」



いつの間に岸へついたのか、セイヤ君とハルミが側にいて、ヨル君が私から離れていく。



「いや、今はテルミ先輩が」


「うん。わかったから黙ろう」



セイヤ君にバレたかもしれない。

砂浜がびっしょりと濡れて、海の水のせいでシミができている。



「もっもう大丈夫です。少し、疲れただけです」



言えるわけがない。海の水なのか、私の汁なのか……



「くっ黒瀬君。ありがとうね。お姉ちゃんは私が面倒みるから大丈夫だよ。お姉ちゃんズルい」



ハルミも来て、私は身を任せることにした。



「ヨル……簡単に脱ぐのはダメだよ」



二人が去っていく背中を見ながら私は部屋と戻った。


寝たフリをしてハルミが部屋を出て行くと、私は一人で捗った。

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