第8話
階段を上り切り、二階に到達すると広間に出た。そして、そこに何かがいた。
「よく来た挑戦者よ。私は魔王城二階層守護者、
「はあ?」
意気揚々と叫ぶ
「いや、どこから声が出てるんだ?」
「そのようなことは聞かないのが礼儀だろうが」
「えっ、あ、ごめん……じゃなくて! それで? 何用ですの?」
「……貴様、愚かにも魔王様と相まみえることを望む者よ。まずは私が相手をしよう!」
彼を待ち構えていたのは黒光りする鎧に身を包んだ
「どうしてあなたが笑っているとわたくしは理解できるのですか?」
「私に聞かないでほしい」
今度はどういうことか困ったような表情をする
それはそうとルミナス口調になった彼は仕方なく、といった感じでため息を吐く。
「では、わたくしの力の一端を見せてあげましょう」
などと意気揚々と言っているが――
(やばいやばいやばい!? あの大鬼ほどじゃないがかなり怖い!? ギャグ要素強めだから何とかなってるけど!? ……と、取り合えず落ち着け。ルミナスはゲーム内においてはトップクラスの実力者だった。この世界でもそれなりの強さは持っているはずだ。ひとまず武器を取り出そう、ルミナスと言えば、のあの大カマを!)
彼は右手を掲げ、言った。
「おいで、《
ルミナスの戦闘開始ボイスと同じそのセリフに答えて、時空を超えて《
「ほう、その魔力と武器、さては上位魔人だな? っふ、相手にとって不足なし!」
「それは光栄ですわね。では、始めましょう。
またまたゲーム内のルミナスのキメ台詞を叫んで、彼は戦闘を開始した。
実は急展開に感情がちっとも追いついていない彼であったが、この場を何とか切り抜けないと自分の命はないと悟り、必死に戦おうとしている。
(ま、まずは小手調べだ! ルミナスの得意技、
「遅い!」
「っ!?」
開始からわずか数瞬後、
(は、早い!? 序盤にしては強すぎ――いや、ここ最終局面じゃね!? 攻略する順番間違えてね!?)
今更になって大変な事実に気づいた彼は、咄嗟にルミナスの得意技の名前を叫んだ。
「《
突如として
そして、それと同時。無数の穴の
「お、み……ご、と……」
そして
先程の技、《
そんな《
そして《
「ゲホッ、ゲホッ、ゲホオオオォッ!? ああ、のどいてぇ……ダメだ、ビビりすぎて唾変なところに入ったかもしれない。喘息が、ゲホッ!? 」
咳で苦しんでいた。
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