第8話 変貌

 

 「全員避難しろ!」

立花先生がそう叫ぶ


 見物に来ていた生徒たちは世界最強格が少し焦る様子を見せたためか、我先にと逃げ出した。



 そして、当の廣告には、天使の羽が生えていた。


「ははっ、やぁこんにちはそして、僕とは初めましてかな?」


「誰だ、廣告ではないみたいだが?」

 と、俺が問うと


「廣告?あぁ彼ね、確かに僕は彼ではないよ、彼の体を借りているだけさ」

 得体のしれない人物は、手をポンとたたきながら言った


「立花先生なんですかあれ、なんか知ってそうですが」


「あぁ、あれは多分廣告が天使を自分に憑依させたのだろうな」


「天使?」


「そう、天使だ。と言っても我々が勝手に呼称しているだけであって、奴らのやっていることは悪魔に近いがな」


「先生がそれを知っているという事は、同じ様な事例があったという事ですよね。」


「うむ、政府でも秘匿されていて、上位の人間しか知らないことであるが世界規模で数件だが確認はされている、じかで見るとは思わなかったが」


「あいつらについてほかにわかっていることは?」


「ほとんどわかっていないといっていい、わかっているのは奴らに機獣を操る力があるという事ぐらいだ」


「は?機獣を操るですか?それ滅茶苦茶やばいですよね。」


 うわ、めんどくさ今すぐ逃げるべきかな、と思い始めた頃


「逃げようとしても無駄だよ。ある程度の数、傀儡、君たちの言う機獣が集まったからね」

 と天使が言った。


 俺たちが話している間攻撃してこないなぁと思っていたが、着々と俺たちを殺す準備をしていたようだ。

 まぁ、話している間待ってくれる敵なんて、プリ〇ュアの敵くらいか。


「さて、先生はどうしますか?」

 と聞くと、


「私はここでこいつの相手をしよう。大鳥、お前はこの学園に集まってきている機獣をどうにかしてくれ」


「はぁ、めんどくせ(ボソッ)」


「お前いま素が出たな」


「いやいや、そんなことないですよ。わかりました機獣の掃討ですね。

 わかりました、ではっ」


「え、いや掃討じゃなくて私が行くま…って早っ」



 なにか先生がいっていたような気もするがまぁいいかと思いながら校門の方へ

向かうと、すでに誰かが戦闘を開始している音が聞こえた。


「前に出過ぎるなよ、俺たちがSSクラスといえども死ぬぞ!」


「そんなことわかってる!」


「無駄口たたいてる暇あったら少しでも多く倒せ!」


 SSクラスの生徒が校門前の機獣を食い止めてくれているらしい。

 さすがはSSクラスの生徒たちなだけあって、この学園が建っている山を埋め尽くすばかりの機獣たちを、たかだか40人程度で足止めできている。

 まぁ、神超学園の一つなだけあって、もともと学園の構造自体、強固なのも

 あるだろうが。


「あら、あなたなぜこんなところにいるのかしら?」

 という声が聞こえ、ふと後ろを振り向くと、


 そこには、始業式以来見ていなかった学年主席、緋高朱莉が神器を携えていた。


「あぁ、神器を持ったままでごめんなさい。見たらわかると思うけど今、機獣と戦闘中なのよ。で、もう一度質問させてもらうけど、あなた、なんでここにいるのかしら」


「あはは、いやー、本当はこんなところに行きたくはなかったんだけど、立花先生に

 ここにいる機獣を掃討しろって言われてねー、

 でもSSクラスの皆さんがいるならEクラスの俺は必要ないから帰るわ。んじゃっ」

 と言って帰ろうと思い、

 戦場に背中を向けたのだが..........動けない


「えーと、はなしてくれない?緋高さん」


「手伝ってくれる?あの、『刀聖とうせい』がこの数の機獣を掃討しろって言ったくらいの


なぜか怒っている学年代表が…俺の腕を引っ張っていたからだ。

ちなみに刀聖というのは立花先生の2つ名だ。


「えーっと、そういえばなんで2、3年生はここにいないの?」

俺は、話をそらすために少し気になっていたことを言ってみた


「あぁ、それは、2,3年の先輩方は今、関東の横浜校と東京校へそれぞれ研修に行っているからよ」


「なるほど、あっ俺そういえば教室にスマホ置忘れたんだったわ、ちょっと取りに行ってくる!」


「待ちなさい!今から戦うのになぜスマホがいるのかしら?え?」


「すいませんでした!」


これ以上このやり取りをやってるといつか殺されそうだな。

めんどくさいが戦うしかないようだ。もう一度言うめんどくさいが。


「わかりました、わかりました。ぜひやらせていただきます!」

と言い感覚を戦闘のために研ぎ澄ます。


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男はさっきまでのやる気のない態度が嘘のような、いや、もはや

男が纏うその覇気はすでに歴戦の猛者のものになりつつある。

あの死んだ目は好戦的な目へと変わっており、口には笑みが浮かんでいる。



「さぁ、存分に呪いあおうじゃないか」



男、大鳥蓮人は











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