機神、惑星ヘブンに立つ 19
エピローグ
気づけば砂浜の上にいた。なんだか頭が痛いし、穴を潜ってからの記憶が曖昧だ。
この景色は見たことがある。当たり前か。だって島ごと来たのだから。
そういえばいつのまにバリゴルンの外に出たのだろうか。それにいつもより視線が低い。起き上がったつもりだったのだけど。
「目が覚めたか一久」
後ろから声がかけられる。これはバリゴルンか。
「ああ、今目が覚めたとこ。でもほんとに成功したのか?全然変わんな....え、何あのでっかい山....」
「ああ、成功だよ。あれこそこの空間の象徴、そして中心のシュミルテンさ」
「なあ、ところでトッパの姿が見えないだが、どこにいるんだ?」
そうだ。俺は二人のためにここまで頑張ったのだ。ほんとの故郷を見たあいつの反応を見てみたかった。だけど...。
「ああ、そのことなんだが...、とても言いにくいんだが、トッパはもういないんだ」
「は?」
「とりあえず君は自分の姿を見た方がいい」
言われたことが納得できなかったけど、とりあえず海へ向かう。
そして自分の姿を見たとき、俺はもうどうしようもないくらい泣いた。
「なんで、なんでだよ...」
俺はエヴォリスになっていた。それもコアが二つ。一つは青いコア。俺が元々持っていたもの。でもそれはいい、覚悟していたから。
でももう一つは緑。わかる、わかるよ。これは、トッパのものだ。
「君はあの戦いでかなり無茶をした。もうその存在がギリギリだったのだ。そんな君を支えるためには彼が自分のコアを託すしかなかった」
いや、託したってどういうことだよ。なんであいつがそんなことするんだ。コアがなきゃ死んじまうってのに...。
「君も見たはずだ。あの穴を通っている時に。だからこそだ。君が必要だって彼は思ったからの行動だ---------絶対に無駄にしてはいけない」
思い出した。ああ、そうだ。俺はやらなきゃならない。絶対に成し遂げなくてはならない!
「ああ。そのつもりだ。でも今は、今だけは休ませてくれ」
ここで強くならなきゃいけない。だからこそ、洗い流すように泣いた。
**********
完敗だわ。いやー負けた負けた。まさかここまで強いとは思ってなかった。
ああ悔しい!悔しい悔しい悔しい!
そんな怒りのオーラのせいで所員は誰も近づいてこなかった。
みんな無事なのはよかったけど、これからどうしようって悩んでた時に、空に穴が空くわ、島がひっくり返って宙に浮くわ、爆発するわでもう混乱している。
でも最後の爆発。あれはきっとオーゼが仕組んだものだってことはわかる。
“ああ、そうだ。あれは我がやった”
やっぱりか。でもなんでそんなことしたのか聞こうとしたけど、どうやら今回は素直に話し合うつもりでいるみたいだ。
“逢世、あの島はどうしてもこの世界に必要なのだ。一部でもいい。この世界にあること、それが重要なのだ”
「だからって爆破するかなあ....」
それにしても私はこれからどうするべきか。こいつから知った情報は本物、でも全部知ることが出来たわけじゃない。私も動かないといけないな。
“もしお前が我と対等に手を組むというのなら助言してやっても良いがどうする?”
胡散臭いがいいだろう。その話乗ってやる!
“決まったようだな。ならやつに、
転王輪か、いいだろう。今の私なりの答えをさっさと見つけないいけないからね。この際選り好みはできない。
競争だ、一久。絶対に私の方が先にこの世界を救ってやる。
エッジ・サークル・エターナル じほにうむ @Zi_honium
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