機神、惑星ヘブンに立つ 18

かえりみち 2


 ビルダローアから出た光。それはまっすぐに進みバリゴルンの身体を突き抜けた!

 そして少し離れた木陰で休んでいたトッパを縛りあげ、あっという間にその小さな機械は彼を中に仕舞い込んでしまった。

「なんだこれは!?おい一久!どうなっている!?」

「いや、知らない。こいつが勝手に動いたんだよこいつが!」

 だがそれだけではなかった!

「待て待て待て待て!なんで腕が勝手に上がるんだよ怖えよ。わけわかんねえ!?」

 ビルダローアをつけた腕が勝手に動いた。

「なあ、なんだか私、打ち出される気がするんだが、お前、まさかそんなことしないよな?」

「すまない。それは今お前が入ってるこれに聞いてくれ...」

「え、待て、いやほんとに待って。状況を説明してくれえ!」

 トッパのその言葉を皮切りに、ビルダローアの矢尻部分から光が放たれた。

 またバリゴルンから飛び出した光は、今度は空向かったかと思うと.....。

「え、こっちに向かってきてる!????」

 今度はUターンして戻ってきたのだ!

 咄嗟に避けようと一久はバリゴルンを動かそうとした。

“避けるな一久!”

 しかしバリゴルンがそれを許さなかった。

 光はどんどん近づいてくる。そして右腕に直撃した!

「あれ?無事か?」

 不思議なことに痛みはなかった。だが先ほどより右腕が重かった。

 確認する。するとそこには巨大なキャノンが取り付いていた。

“どうやら今のは武装変換の機能だったようだ”

「武装変換?でもどこからこんなもの引っ張り出したんだよ?」

「私が武器に変えられたってことか...」

「トッパ?え、この大砲がトッパなのか?」

“しかし、話し込んでる場合でもないぞ。時間がないのは変わらない。今こそ三人で力を合わせるぞ”

「よし、そうと決まれば!」

 三人の気持ちを合わせる。それぞれが想いを持つ。だが故郷を目指すということだけは一致している。

 砲門にエネルギーがチャージされていく。

狙うは先ほど入れた空の亀裂。今度は一発じゃない。穴が開き切るまで絶対にやめたりしない!

 さあ放て、凄まじいその一撃を!

「「“一・点・突・破!!!バリバリスタァァァァァァ!!!!”」」

 凄まじい反動が襲う。だが踏ん張る。地面に足がめり込みそうになるも、逆に固定された。

 ただの亀裂がガラスが割れるような音を立てながらどんどん広がり巨大な穴となっていく。

「もうこれくらいでいいんじゃないか?」

「私もそう思う。あとはどうするんだ?」

“島をあの穴に投げ入れるんだ。なあに、機神の力を持ってすれば容易いことだ”

“さあ一久、イメージしろ。机をひっくり返すような感じだ。あとはもう、わかるはずだ”

「わかった。そりゃあああああ!!!!」

 信じられない、本当に島がひっくり返った。宙に浮き、先ほど開いた穴に向かって投げられる。

 だが穴に入る直前、島から爆発が起こった!

「何事だ!?」

 そして島が割れた、1/3ほどがまた海へと落ちていく。

「嘘だろ。まさか、あいつめ...」

 犯人はわかっている。だが穴が治りかけ始めたのだ。それも、ものすごいスピードで。

 今ここで立ち止まるわけにはいかない!

 彼らは全ての島を持ち帰ることを諦め、ギリギリのところで穴を潜ったのだった。

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