組織の狙撃手
「そーですね、私は非合法な組織の【能力者】ですよ。それはもう真っ黒な組織です。」
目の前の彼女はそういい、フードを深めに被る。
僕の茶色が貴重だとか言っていたが日本人なら黒の瞳や茶色じゃないのか?
「さすがに組織の名前は言えません。怒られるどころかバレたら殺されちゃうので…おそらく今も」
そこまで言った直後、彼女の体が横へと吹き飛び、ゴロゴロと転がっていく。
そしてその直後、僕へも鈍い衝撃が襲いかかる。
-非合法って言った後のこの攻撃…-
この世界の日本はこんなに治安が悪いのか?それとも【能力者】ってだけで犯罪者扱いされているのだろうか。
沸々と怒りが湧いてくる。
公園の近くにはマンションがいくつもあり、高所からの攻撃ならいくらでも可能性はある。
そしてもう一度、二度と立て続けに来る衝撃。
-俺知ってる、これ狙撃手ってやつだ。
そして頭に当たる弾。後頭部に直撃したのでだいたいの見当はついた。
パーカーのお嬢さんは大事な情報源、それに真っ黒な非合法組織とは言っていたが唐突に殺される理由もない。
てくてくと彼女の方へと歩いていき、まだ生きているか確認する。
何度も転がっているので、砂まみれだが口元に手を持っていくとまだかろうじて息はしている。
そして再度襲い来る衝撃に、流石にキレる俺。
「おい!!俺を撃っても効かないのわかっただろう!!」
後ろへと振り向いた瞬間、衝撃は額へと着弾した。
一瞬クラリと意識が暗転しかけたが、そんな物は俺に効いていない。
-俺は平気だ。だがこのお嬢さんを万が一にも撃たれるわけにはいかねぇ。-
覆いかぶさり、傍から見たら気絶してる女の子を襲ってるようにみえるかもしれないが、そんな事より命の方が大事だ。
すると、先程までの狙撃が止まった。俺がこの子の味方に見えたからだろうか…?
そして、怪訝に思い先程まで撃ってきていたであろう場所を見ると、そこから白い旗を振る女の姿が。
-散々こっちに攻撃しといてそれは俺受け入れられねえなぁ?-
「おい、そこで白旗振ってる女!!手は出さないからこっちまでこい!いいな?じゃないとこの俺が守っている女の首をへし折る。」
真顔で言ったからであろうか、女は大慌てで旗を引っ込め、部屋へと姿を消し、少ししてからこちらへと走ってきた。
「…あなた何者なの?私の【能力】付き銃弾を食らって-」
「第一声で謝罪がねえんだよ、テメエはよお!!」
手は出さない。脚は出すがな!!
力の限り蹴り飛ばし、フードの女と同じく、狙撃手の女はゴロゴロと転がり、意識を手放したのであった。
-さーて…コイツラが意識戻すまでに俺も僕に戻るか…。-
念の為、狙撃手の武器を取り上げようと服を漁ったところ、タバコとライターが出てきた。
これ幸いと、普段吸ってる銘柄とは違うが暇つぶしのタバコができたことで先程よりは待つのが苦痛じゃなくなったと安心し、再度ベンチへと座って二人の意識が戻るのを待つことにした。
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繝倥せ繝?ぅ繧「…あの子手出さないって言って蹴るのひどくない?
あら、繧ソ繝翫ヨ繧ケ。約束通り手は出してないじゃない。嘘はついてないわよ?うふふふ…。
死にたがりで救済を求める者 栄養剤りぽべたん @ripobetan
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