能力のしっかり確認
-…疲れ果ててないからか、やっぱり睡眠時間は短いな。-
先程寝てから2時間も経っていない、
封筒は…少し膨らんでいるか?元よりこの程度の膨らみだっただろうか。
そんなことより、自分の身に起きた【硬化】の実験だ。
素手でディスプレイを突き破る力。これを放っておいたら絶対危ない。
リア友に素手でつっこみ入れた時にもしかしたら体を貫通してしまうかもしれない。
自分の能力の実験を始める。
少なくともディスプレイなんて硬い物を突き破るのだ。尋常な硬さではない。
試しにと、先程欠けたカッターを手に持つ。
-大丈夫、さっきは突き立てて欠けたんだ。-
そう暗示を自分に掛け、フーっと深呼吸してからその刃を思い切り自分の腕に振り下ろす。
ベキンと、刃が折れる音が部屋に響き渡る。
カッターは、たしかに不要になった刃を折る為に切れ込みもついており、折れやすくなっている。
ただ、人間の柔肌や骨に当たったところで折れるような柔さはしているはずがない。
「…ハハッ、ハハハハハハハッ」
無意味な笑い声が自分の部屋にこだまする。
刃による自傷で死に至るというのは封じられたようだ。
『ちょ、繧ソ繝翫ヨ繧ケちゃん!?この子私が見出したのに…イタイ!そうだよね…この子の意思を尊重しないとね…』
何か脳裏と便箋で会話が繰り広げられているが、僕の自死は封じられたと思っている。
『…幸輝、もう前世忘れちゃった?じゃあ君が死んだ後の葬式見せてあげるね!」
そして僕はぐるぐるとした空間に引っ張られていった。-
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます