第5話 日常 ④

【 銀河side】


これから学園に向かうけど、大所帯になったなぁ。

ちょっと前までは、俺と乙女と檸檬の三人だけで登校していたのに、最近は 王子ぷりんす達が、俺達に合流して登校している。


幼馴染み達は、王子の仲間に異世界での旅の話を聞いている。



乙女

「 ねえ ねえ それで王国は、わずかなお金と安物の装備で魔王を倒せとか、言った訳なの ? 」


「 そうなんだよ !あからさまに、態度が悪かったんだから !

王国騎士も、チンピラみたいだったし本当に最低な国だったんだから」



シンサン、クリス

「「……………………」」



檸檬れもん

「 シンサンは、王国の第八王子だから解るけど なんで、クリスまで落ち込んでいるの ? 」


「 ああ、それは、クリスが元王国騎士だったからなんだよ !

それも、『朱雀隊すざくたい 第二小隊 隊長さん』だったんだよ」


檸檬

「 ほぇぇぇ~ 二人共、偉かったんだ~ 」


クリス

「 偉くなどないのです。

私は、貴族だったから王国騎士団に入れた訳だし、隊長に成れたのも家の力で成ったようなものです。

プリ王子様達に、出会わなければ今でも鬱屈うっくつしながら騎士団の仕事をしていたでしょう 」


シンサン

「 俺も似たようなモノだよ !

兄弟での王位争いに、嫌気が差していた時に王子たちに会ったんだ」



「 シンサンのお兄さんの第五王子の ロープグットも酷かったよね。

ちまたでは、コボルト王子と呼ばれていてモンスターを狩る事を禁止したんだよ !

その上、他の貴族が納める領地を奪おうとしていたしね 」


シンサン

「 バカ兄貴が、スマナイことをしてしまったな 」


「 うううん、その代わり『 ゴオニンジャー様 』に出会えたんだから、良かったよ 」


銀河

「 なにそれ『 ゴオニンジャー 』って、ヒーロー戦隊みたいなのが異世界に居たの ? 」


茜さんが、腕をブンブン振り回して興奮こうふんしながら

「 『 魔王戦隊 ゴオニンジャー 』って、名乗っていたから『 アンチヒーロー 』なのかなぁ~

でも でも カッコ良かったんだからぁーー ! 」



乙女

「 それ、絶対に転移者か転生者が、関わっているんだと思うよ 」


「 それは、私も思っていたわ。

名乗りが、完全にジパングのヒーロー戦隊そのものだったからね 」


銀河

「 ちょっと、見てみたいかも…………だけど、どんな人が考えたのかなぁ~

考えた人に会ってみたいなぁ~ 」


檸檬

「 銀くん、 日朝のヒーローモノが好きだもんね !」


乙女

「 まっ、 銀ちゃんも男の子だからね ! 」


銀河

「 ………………檸檬や乙女だって一緒に見ていた癖に、俺だけみたいに言わなくても良いじゃないか 」


檸檬

「 銀くん、 そんなスネナイでよ ! 私達が、悪かったからね 」


乙女

「 銀ちゃん、ごめんね。 からかいすぎちゃったよ 」


シンサン

「 王子達も銀河達も本当に仲が良いなぁ~ 」


クリス

「 我々、王族や貴族とは、違う価値観なのでしょうね。

少し、羨ましいです 」



【 メッサリーナside 】



ジパング人の意思の力が、強くて乗っ取る事が出来ない事が判ったわ。

なら、方針を変えて 今、憑依しているこの娘に子供が出来た時に乗り換えれば『 受肉じゅにく 』出来るはずだわ。

しばらくは、大人しくしてこの娘の恋を応援しましょう。

それに、茨城 銀河の廻りには、忌々いまいましい神々が ウロウロしているから絶対にバレないようにしないといけないわ。


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