第52話
爆発音と、ドラゴンの咆哮が響く。
空にはドラゴンが羽ばたき、少年と対峙していた。
「おじいさん、ちょっとしぶといんじゃないのお!」
岩でできた大きな手がドラゴンを叩き潰すかの様に振り下ろされた。
ドラゴンは口から光のエネルギーの塊を放ち、岩の手を粉砕する。
「なんだにゃ、あの化け物同士の戦いは……」
木の陰で、シャム猫の人間になった姿と萌が覗いている。
「しかしどうするにゃあれ……」
魔力喰いが石になった三人を集めて近くにいた。
腕組みしていた猫女は萌のほうに目をやる。
「私が時間を稼ぐから、そのすきになんとかするにゃ」
「ねこさん……」
「萌、うまくやるにゃ」
萌はこくりと頷いた。
「カウントダウンニャ、5、4、3、2、1、0にゃ!」
女はシャム猫の姿になり飛び出す。
走る猫のまわりに、空中の水分でできたつららができていく。
つららは魔力喰いに飛びかかる。
突き刺ささったつららはすぐに吸収され、刺さってできた傷もすぐに治ってしまった。
「にゃ!……こいつ普通の奴じゃにゃいにゃ」
魔力喰いはシャム猫に向かっていく。
シャム猫が尻尾で地面を叩くと、土が盛り上がりドームを形成して魔力喰いを閉じ込めた。
「これでいけるかにゃ……」
土は砕け崩れた。魔力食いが中から笑っているかの様に現れる。
魔力喰いは突進するやしっぽで、猫を掴みあげる。
首を絞められた猫はうめき声も出せずにいた。
「猫さん!」
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