第46話
母さんと信也へ
家を出ることにします。突然ですが許して下さい。
母さんに黙っていたことがあります。
僕は一年ほどの間、魔力喰いと呼ばれる魔物を育てていました。ごめんなさい。信也には話していたけど二人で秘密にしていました。黙っていた信也を怒らないでください。僕がわるいんです。
名前はシロと名付けました。まるで雪のように白いんです。この前、僕が意識を覚まさなかったのも、シロに魔力をやっていたからです。心配をかけました。薬を作ってくれてありがとう。あの時からシロに餌をやるのが僕一人では限界でした。それで僕はやってはいけないことをしました。他人の魔力を奪うという行為をしました。ごめんなさい。最近の魔力を奪われている人達は僕が襲ったんです。けどシロは、あいつは魔力を食べないと生きていけないんです。ただ餌を食べているだけなんです。僕がいないと、あいつは誰かに殺されてしまいます。そんなこと僕は許せそうにありません。シロも生きているんです。あいつには僕がいないとだめなんです。他の誰かじゃだめなんです。だから僕はあいつと一緒にいることにしました。
今日まで育ててくれてありがとうございました。あなたがいなければきっと、僕は今を生きてはいないと思います。
信也、僕の相棒、最高の友達で大切な家族、血は繋がってないけど僕たちは兄弟だ。
ごめん。
母さん、信也、愛してます。
今までありがとう。
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