第32話
背から黒いはねが、
ゆっくりと、
広がっていく。
蝶々が羽化していくかの様に、
若い新芽が生えるかの様に。
一つ、
二つ、
三つ、
と羽ばたく。
萌は自分の力で浮いていた。
閉じていた目を開けて、宙を浮いているのを確認する。
「やったよおじさん!」
「信じたら叶ったろ?」
信也は楽しそうに笑っていた。
「上手くできたから、ご褒美にこれをあげよう」
信也は萌に、石のペンダントを渡す。
それには六芒星の印が刻まれて、表面の一部がシャボン玉の原液の様にマーブル色に染まっている。
「なにこれ?」
何か不思議な感じがする物だった。
「お守り。魔を打ち払ってくれるはずだよ」
萌はお礼を言って、首にペンダントをさげた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます