第18話
親になった。
萌は母親にしがみついた。
「お母さんなのね?」
「ええそうよ」
「おかあさあああああん」
泣きながら母親に抱きしめられていた。
二人が落ち着いた後、信也は母親に萌と出会ってから、ここまで来るまでの出来事を話して聞かせる。
「工藤信也です」
と自己紹介をした。
萌の母親は耳をうたがった。
「あなたが工藤信也さんですか……」
信也は魔法使いの中でも有数の実力の持ち主で名はある程度知られているのである。
「萌をここまで連れてきていただいてありがとうございます」
信也は萌の母親が回復するまで萌を預かりますと申し出る。
父親もいないと言っていたし、親族と誰とも連絡ができないと病院の人が言っていたので非常に心配になったのだ。
渡りにかかった船だ最後まで萌の助けになろうと思った信也であった。
萌の母親は、その申し出を受けることにした。
「よければ萌に魔法の扱い方を教えてもらえないでしょうか」
「ええ、喜んで」
信也は萌をしばらく預かることになった。
「微力ながら、意識を回復させる程度のことはできるので、失礼」
萌の母親の背に手をおくと、手から光がほとばしりあたりは満たされた。
病室に戻ってきた。
萌の母は目を開ける。
萌は「お母さん早く良くなってね」と言って手を握った。
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