第15話

日が照りつける。

 ここは、信也が萌と出会った公園の上空だった。

「あれ……ここ」

「あの公園だね」

「みて! お母さん! あたしもいる! え? なんで? あたし二人いるの?」

「これはお母さんの記憶みたいだね」



「萌、しばらくここにいなさい」

 はーいと言って萌はベンチに座った。

 萌の母親は魔方陣を地面に書き魔力を込める。

 即席の魔法の結界を張ったみたいだ。

 萌と会った時あの結界はなくなっていたからその頃もう、萌の母親の意識はなくなっていたと思われる。

 萌の母親は公園に置いてあった竹(たけ)箒(ぼうき)を手に取り、それに腰掛けて飛び立った。

 信也と萌、蜂もその後を追う。

「お母さんどこ行くのかな」

「なんか追っかけてきてるからどこかで迎え撃つつもりだろうな」

「え? どこ?」

 信也の指さした方向を見ると、何かまがまがしい巨大な黒い影が萌の母親の後をついてきていた。

 萌の手がぎゅっと握られる。

「おじさん、お母さんを助けて」

「ごめん、これはもう起こったことを見ているだけなんだよ、過去は変えられないんだ」

 二人はその後、無言になった。

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