第9話
文化祭当日、朝から美術部の展示室に座って、見に来てくれる人を待ちながら、香絵ちゃんといっしょに、来てくれた人の応対をしていた。
そしたら、修学旅行の時のバスガイドさんも見に来てくれた。
「きゃあああ、バスガイドさんーーっ」
まさか、見に来てくれるなんて、思ってもいなかったから、久しぶりの再会に嬉しくて、飛び上がってしまった。
「こんにちはーーっ。久しぶりーーっ」
って言って、絵を見てくれた。
「あっ!修学旅行の時の富士山だあーーっ」
って言って、めっちゃ感動してくれた。
「こんな幻想的な白い霧だったのねーーっ」
って言ったから、
ああ、そうか、あの時、バスガイドさんは5号目で、うちらの帰りを待ってくれてたんだなあーーって思い出した。
「うちにとっては、あの富士山の頂上付近での白い霧の中で、バスガイドさんといっしょにいたんですよーーっ。ギューって優しく抱きしめられてたんですよーーっ。本当に」
って言った。
「あはは。そうなのねっ」
ってバスガイドさんは笑ってくれた。
「だから、この絵の富士山の白い霧の中には、バスガイドさんも、ちゃんといるんです!」
って真剣に言ったら、
「ああ!なんとなく、わたしのいる雰囲気、感じるわ!」
って言ってくれた。
「本当に?」
って聞いたら、
「うん。感じる。あっ、でも、あの日は、わたしは、富士山の霧の中でなく、5号目で待ってたんだけどねっ!」
って言って笑ってた。
バスガイドさんは、うちの描いた絵の白い霧の中をじっと、のぞきこんでいた。その仕草、めっちゃ可愛い。
「やっぱり、霧の中に、なんだか、2人いるみたいね~」
って言ってくれたから、
「そうでしょ~。うちとバスガイドさんなんですよ~」
裸のバスガイドさんと抱き合ってキスしてるとこなんです~、とまでは言わなかった。
それから、うちはバスガイドさんに、
「うち、バスガイドさんみたいな優しくて可愛いバスガイドさんに、自分でもなりたいって思ってたけど、今は、美術で受験して、美術で進学しようかな~っていう気持ちも半分あるんですっ」
って話した。
「いっしょにバスガイドになってくれたら、それは、めっちゃ嬉しいけど、でも絵の才能もあって、そっちも好きなら、美術の道に進んで行くのも、あやめちゃんらしいわねっ」
って言ってもらえた。
「富士山の横の、もう1枚の絵は、この女の子なんでしょ!」
って言って、香絵ちゃんのほうを見てた。
「この女の子のことを、めっちゃ好きな気持ち、伝わってくるわね~。まるで今、まさにえっちしているみたいに...」
って言ってくれた。
それからバスガイドさんは、香絵ちゃんの描いた絵も見てくれて、
「あっ!あやめちゃんだーっ!1目でわかるわ~。まさに今、えっちしているとこみたい...」
って、香絵ちゃんの絵に描かれた、うちを見て、盛り上がっていた。
「好きどうしの気持ちに溢れた2人の絵が並んでいるのね~。おたがいに好きな気持ち、伝わってくるわよ~いいわね~。2人で今まさに、えっちしているとこみたいに。えっちしているところを、おたがい描いてるみたいに。...もしかして、この絵たち、えっちしてる時に描いたんちゃうの?えっちしながら...」
それから、香絵ちゃんに展示室にいてもらって、うちは、バスガイドさんといっしょに、高校のすぐ近くの伊勢寺に行った。そして、伊勢さんの句の彫られた石碑の前で、バスガイドさんとキスした。
「伊勢さんの句、めっちゃ好きだし、伊勢さんに導かれて、この高校に進学したようなものだし、そして高校の修学旅行でバスガイドさんに出会えた!」
って言った。バスガイドさんと、めっちゃえっちしたくなってきた。でも、バスガイドさん、すでに、もう結婚してはるし、うちは香絵ちゃんと高校生をこれからもやっていこうって思って、うちは高校の文化祭に戻った。
「見に来てくれて、本当にありがとう」
って、バスガイドさんにお礼を言った。
伊勢寺で、お礼を言えて良かったなあ~って思った。
別れ際に、「はいっ!これも使ってね」って言って、また下着をプレゼントしてもらえて嬉しかった。
伊勢寺の伊勢さんにも、「また、もらえました~っ」て言っておいた。
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