第3話

翌朝、5号目まではバスで行った。そのあと歩いて、頂上を目指した。葉子ちゃんと手をつないで歩きはじめた。

バスガイドさんとも、5号目で別れた。富士登山を応援してくれてたわ。


かなり登ったところに大きな鳥居が立っていて、そこをくぐったとたん、急に白く濃い霧がフワーッと漂ってきた。あたり一面真っ白になってしまった。友達も景色も、霧で何も見えなかった。

まわりを見渡しても、さっきまでいっしょにいたはずの葉子ちゃんの姿さえも見えない。


しょうがないから、しばらく1人で、じっとしていたら、ふと後ろに人の気配を感じて、振り向いてみたら、バスガイドさんがいた。

めっちゃ嬉しくなって

「きゃあああ!バスガイドさん!こんなところで会えるなんて~!」って言って抱きついてしまった。

バスガイドさんも

「今日の記念に、バスガイド仲間と、みんなでいっしょに登ってる途中で、白い霧が発生して、みんなと、はぐれちゃった」

って言った。


それから、2人で白い霧の中で抱き合っていた。

「キスしてもいいですか?」

ってバスガイドさんに聞いてみたら、

「いいですよ!」

って言ってくれた。

それから、白く濃い霧の中で、2人で抱き合ってキスしていた。


なんとなく、神々しい霧のように感じた。

富士山が

「よく、ここまで登って来てくれましたねっ!」

って、みんなのことを歓迎してくれてるような気さえしてきた。

バスガイドさんをふと見たら、昨日の卓球場の浴衣姿だった。

ええーっ?バスガイドさん、昨日と同じ浴衣で登って来てたのーっ?って思った。

抱きしめてたバスガイドさんの、浴衣の胸に手を入れてみた。ブラつけてなくて、そのままおっぱいだ。

うわーっ!可愛いおっぱいだーって思って、もう夢中で、おっぱいをもんでいた。優しく優しくおっぱいをもみしだいた。

それから、おっぱいを優しくなめまわしてみた。

「あんっ!」って可愛い声をあげはった。

予想通り、やっぱり可愛い声だ。

もう霧中で、おっぱいをなめまわしていた。


「よしっ!これは、もう、全身をなめまわそう...」

そう思った瞬間、フワーッと白い霧が晴れて、また、あたり一面、見渡せるようになって、景色も友達も見えはじめてきた。


葉子ちゃんもいたから、手をつないで富士山を降りて行った。

「急に白い霧の中に消えてしまったから、びっくりしちゃったよ~。今まで、どこに行ってたの~?走り回ったのに、どこにもいないんだもん。」って言われた。

「白い霧の中で、バスガイドさんと遭遇してたんだよ~。浴衣で登山してたみたいだよ。」

って言ったら、

「そんなあほなっ!」

って言われてしまった。


まわりのみんなも、わーわーきゃーきゃー騒ぎながら、降りて行ってた。


5号目に着いて、バスのところに行ったら、バスガイドさんが立っていて、みんなのことを待ってくれていた。

「あ~、バスガイドさん!先に降りて、戻ってたんですか?霧が晴れたと思ったら、いなくなっちゃって...恥ずかしくなって、みんなに見られないように走って降りてたんですか?」

って聞いた。そしたら、

「えっ?わたしは、ずっと、5号目で、みなさんの帰ってくるのを待ってましたよ。頂上付近で、白く濃い霧が発生したって聞いたから、みんな大丈夫かなあ~って思いながら、待ってました」


またまた~冗談ばっかり~っ、霧の中で会ってたやんっ!て思ったけど、どうやら、本当らしい。


うちは、バスガイドさんにガバッと抱きついて

「うわ~ん。バスガイドさん、ありがとう!うちね...うちもね...バスガイドさんみたいなバスガイドさんになりたいーーっ!可愛いバスガイドさんになりたいって思ったの!バスガイドさんとして生きるーっ」

って叫んでしまった。

バスガイドさんも嬉しそうな表情で、うちを抱きしめてくれていた。


それから、お土産屋さんで、今日の修学旅行の記念に、富士五湖の、ちっちゃくて可愛くて丸いマリモを買って帰った。


そして、うちは、高校を卒業したら、バスガイドさんになりたいって思った。

あの時の、富士登山の修学旅行での、可愛いバスガイドさんみたいなバスガイドさんに、うちもなりたくて...同じバス会社に就職できたら良いなあって。

うちは女の子みたいだから、修学旅行の高校生も、うちのこと、可愛いって思ってくれたら、嬉しいなあ。

ずっと、あの時のバスガイドさんみたいな、可愛いバスガイドさんになることを目標にして、今日もバスガイドさんになることを夢みて、高校生をやっているのよ。

うちも修学旅行で出会ったバスガイドさんのこと、めっちゃ良き想い出になったのと同じように、うちも、修学旅行の子たちに、可愛くて面白いバスガイドさんだったなあ~って、いつまでも覚えてもらえる存在になれたら、いいなあ~っ!

子どもたちの修学旅行の良き想い出となれたらいいなあ~っ!て、いつも思っているのっ。


そして、うちと、あのバスガイドさんとで結婚することをいつも想像している。

同じ会社で2人とも、それぞれ、バスガイドの仕事を続けていることを想定して。

葉子ちゃんも、高校の友達も、先生方も、両親も、みんな喜んでくれてるはず。

そしてそれから、しばらくしたら2人の可愛い赤ちゃんも誕生するのよ。きっと。




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