高1の春 season 9

「あ、そうだ!栞奈は漢検で準2級持ってるから聞いた方が早い!」と思って、

さっそく栞奈の部屋に向かった。


ドアを開けて、

「かーーんな!」と呼んでも気付かない。


栞奈は理容の自習に集中してる。


栞奈の肩にポンポンッと軽く叩いた。


栞奈「ビックリしたぁ!」


結乃「ドアを開けて呼んだよー!」


栞奈「ごめん!お風呂上がった後、人工内耳を外した。」


結乃「そうなんだね!大丈夫!それに、陸翔からメールが来たけど、分からない漢字があって。」


栞奈「ん、陸翔から?見せて?」


と、まるでウサギのようにぴょんぴょんと

飛んだきた。


栞奈にその場で腰が抜けてた。


栞奈「やっと言ったのねー!」


わたしは、?????になった。


栞奈「え、いや。分からないの?」


結乃「え。あのその漢字が読めない…」


栞奈「読めんかい。ほ、れ、る、っていうの。」


結乃「ほ、れ、る、?なにそれ…」

すぐピンッとこなくて分からなかった。


栞奈「ん、ピンッとこない…?ほら、つまりは陸翔は結乃が好きになりそうとか気になるみたいなの。これがほ、れ、る、の!」


結乃「うんうん…はい?どういうの…ほ、れ、る、えぇーーーー?!」

と、大きく叫んだ。


結乃「いやいや。ありえない。絶対にありえない。だって、陸翔は…」


同時に、先生がドアを開けて入ってきた。


先生「今のは何?!大丈夫?!」


結乃「あ、すみません…何でもないです。」


先生「あ、そう。もうすぐ自習時間が始まるわよ。」


結乃「あ、はい。今から自分の部屋に戻ります。」


自分の部屋に戻った。


まさか…。少しずつ親しくなってるから

妹のような存在と思われてるだけ…と、

自分に思い込んだ。


翌日、学校で休み時間に

栞奈に用事があって高2の教室へ。


陸翔「栞奈から聞いた。惚れるって漢字が分からなかったん?」

と、ツッコミされた。


結乃「…。栞奈!!言ったの?!ひどい…恥ずかしい…」


栞奈「あははっ、だって面白かったもん。可愛いし。」


結乃「んもぅ…」


栞奈とわたしは最近、すごく親しくなって

何でも話せる存在になった。

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