高1の春 season 8

その数日後、

寄宿舎で事前にもって先生に申請を出して

自習時間が終わった後、

22時からテレビを観るために

女子の私たちはテレビがある部屋へ。


今日は課題が少なかったから

自習時間のうちに終われた。


私たちはテレビを観ながら、

その頃に流行ってた罪ゲーム付きのトランプを

使ってぶたしっぽの遊び方と同じで、

ビリになった人はトランプカードに

1枚1枚ずつに書いてある罪に従って受けるという遊び。


まず、栞奈がビリになった。


「自分の隣人(左右の人)に強くつねられる。」


栞奈の隣に、わたしより4つ上の

岡本 三千華(おかもと みちか)と

3つ上の宮柱 舞桜(みやはしら まお)が

栞奈の両腕につねる。


栞奈「いて。岡本、強すぎるよ!痛いて!」


岡本「罪だもの〜。しゃあないんだよ。」


私たちは栞奈の反応に面白くて盛り上がった。


次に、岡本の同級生の

望月 椛(もちづ もみじ)がビリになった。


「みんなの前に、自分の指で鼻をほじる。」


望月「まじ嫌んやけど!汚すぎるって」と言ってきて私たちは大爆笑。


望月は覚悟を決め、私たちの前で

自分の指で鼻をほじった。


面白くてものすごく盛り上がった。


次、わたしがビリになった。


結乃「うわー…きたか…」


「皆こ質問に全て素直で答えること」


突然、みんなから

「はい!はい!※▲◯$⬛︎〜…」と、

あちこちから質問が攻めてきた。


結乃「待て待て、ごちゃごちゃで、分からないって!1人ずつで言ってくださいよ…」


最初に質問してきたのは、岡本。


「好きな芸能人はいますか。」


結乃「え。好きな…芸能人…」

澄佳「ほら。玉森は?」

結乃「あ、そや!キスマイの玉森が好きです!ジャニーズけどね…」


栞奈「はい!好きな人はいますか。」


わたしは無言になってしまい、

みんなは反応してた。


栞奈「いるの?!」

結乃「えっと。好きな人というか、気になる人はいるかな。」


澄佳「言ってたねー…」

お互いに、気になる人とか話してたから。


栞奈たち「知りたい!誰?!」


結乃「これ以上は言えないかな。」


気になる人の名前をあえて公開したくなかった。

これ以上に知られたら、陸翔まで知られてしまったら嫌だったから。


栞奈「ちょっと。私の質問だから、私だけ教えてよー…あ、ここじゃなくて2人きりでいい?」


結乃「それなら、いいよ。」


栞奈とわたしはこの部屋から出た。

隣に部屋があってその入口の所に向かった。


みんな「えぇー…ちぇ…」

と言ってたけど、テレビに夢中。


栞奈とわたし、2人だけになって


栞奈「ねぇ。誰なの…」

結乃「うん、陸翔かなってね。」

栞奈「待って!今なんて?」

結乃「え、だからね。り、陸翔…かな」

栞奈「えぇーーーーー!!!!!」

と、大きく叫んでた。


結乃「あ、ちょ。声が大きいって!」


偶然、寄宿舎の女先生が入ってきて

お互いとも、

「うわぁーー!!!」とビックリした。


先生「ビックリしたぁ!なんで…ここに…ちなみに、叫び声が聞こえたけど…」


ここにいる私たちはその近くに部屋は

先生の部屋だったから。

照明が付いてなくて、私たちは話を早く済ませるつもりだった。で、偶然に先生は先生の部屋に戻ろうとし、叫び声が聞こえ、心配で駆けてきたのだ。


栞奈「あ、すみません。叫んでしまいました…」

先生「何かあったの?」


栞奈とわたしはずっと

「いや、何でもないです。何でもないです。」と

誤魔化して、みんながいる部屋に戻った。


栞奈は、「本当に…本当に…」と独り言が始まった。

みんなは「何が?」とツッコミ。


数日後、いつも通りに陸翔から毎日毎日メールが来てて。

やり取りをする中、ある文章が送られてきた。


「俺は結乃のこと惚れてます❤️」


赤いハートの絵文字が文末に付いてた。


わたしは混乱になった。

けど、“惚”の漢字が読めなくて意味が分からなかった。


あの時は、今みたいにスマホで何でも調べられるとかなかった。


国語辞典で調べるのが面倒くさくて…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る