第60話 泊まり
「あの〜愛莉、流石に着替えの時は俺いない方がいいんじゃないかな?」
現在、潤一と愛莉は彼女の自宅の洗面所に身を置いていた。
そんな最中、潤一は動揺を顔に盛大に露わにしながら、愛莉に聞いてみた。
「・・・ダメ。・・絶対にいて。じゃないと恐怖で潰されちゃうから」
愛莉はブラジャーにパンティしか履いてない状態で潤一を風呂に接した洗面所から退出させないように、ぴとっと身体を密着させた。
潤一の身体に豊満な胸とパンティがやんわらと彼の身体に触れた。
「はぅ、わ、わかった。ぜ、絶対に離れないから」
潤一はこんな状況で、不覚にも愛莉の妖艶さとエロさに興奮して、あそこがびんびんにライジングした。
数分後、愛莉がパジャマを着終わった後、共に洗面所を退出した。
愛莉は自身の寝るベッドに向かう間、ずっと潤一のブレザーの裾を摘んでいた。
何歩か歩いてから、目的地の愛莉の自室に到着した。
真っ暗だったが、部屋の内装は、勉強机と本棚、何色か判別できないカーテンに木製のタンスが場所を取ってることだけは認識できた。
「一緒に寝・・て」
愛莉は怯えたような顔で潤一に要望を伝えた。
彼女は縋るような目で決して潤一を離さなかった。
「わかったよ。今日は愛莉の要望に応えるよ」
潤一は愛莉の可愛さと儚さに敗北し、ベッドに寝転がった。
愛莉は潤一が隣に来るなり、コアラみたいに彼氏にがっちりとしがみついた。
今、彼女は両手で潤一の服をくしゃっと握りしめていた。
「よしよし。俺がいるから大丈夫。安心して」
潤一は少しでも愛莉が安心するように頭をなでなでと撫でた。
「こわかった・・・」
愛莉は唇を小さく動かし、弱々しい声で囁いた。
「うん?どうしたの?」
潤一は愛莉の声があまりにも小さかったため、その内容を聞き取ることができず、心配になり彼女の顔色を窺った。
「こわかった・・・恐かったよ〜〜。」
愛莉は子供のように自身の気持ちを吐露し、何かを訴えかけるように潤一の胸に顔を預けた。
「本当に恐かった。・・人生終わったかもって絶望もした」
愛莉は嗚咽を混じらせながらも、溜まっていた恐怖や感情を隆盛に吐き出した。
おそらく、自身の心境を楽にするためには、ただただ泣きながら潤一に身を委ねるしかないのだろう。
そんな最中、潤一は何もできず、ただ天井を一点見つめて何かを決心した顔を作っていた。
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