第44話 連続
現在は放課後。瑠奈が潤一に告白してから1時間が経過していた。
潤一は誰も実存しない教室の中に身を置き、自席に腰掛けていた。
場所は彼のクラスの教室だった。
「とんでもないことになったな」
潤一は頬杖をつきながら、動揺した心を何とか無理やり落ち着かせようと試みていた。
潤一は瑠奈の告白の後、数秒間ほど言葉を紡ぐことができなかった。
戸惑い、困惑、疑問、他にも様々な感情が行列のように潤一に押し寄せたからだ。
結局、潤一は告白の返事を先延ばしする形を取った。
瑠奈も笑顔で潤一の提案を了承してくれた。
窓から差し込む日の光が潤一を否応なく直射した。
その最中、教室のドアが開け放たれた。
愛莉だった。
「中森君。ちょっと用事があるんだけど。いいかな」
愛莉は緊張感を抱いた強張った表情で潤一の顔を窺った。
潤一は愛莉から発せられる雰囲気から、嫌な予感を覚えた。
「・・・いいよ。どうしたの?」
潤一は心の整理が完了してないがらも、平静を装い、イスから腰を上げた。
潤一は内心、嫌な予感は自分の勘違いだと片付けた。
「あ、・・ありがとう」
愛莉は豊満な胸の前で両手をクロスさせた。
「いきなりでごめんね。でも、もう我慢できないの」
愛莉は頬をほんのりと赤くしながらも、きれいな瞳を用いて、潤一を真剣な目で見つめた。
「あの~。助けてもらったときに、一目惚れたの。もしよければ、もしよければ、私と付き合ってください!」
愛莉は勢い良く頭を下げた。
その直後、潤一は愛莉の言葉の意図を存分に理解したのだった。
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