第2章
第20話 意外な人間
新学期が始まった。
潤一はいつも通り彩香と途中まで一緒に登校した。
今年の夏休みは潤一にとって、今まで経験したことが無いほど忙しいものだった。
それはなぜか。理由は足し算を解くよりもシンプルだった。
愛莉と瑠奈が連絡先を交換したのを良いことに、ひたすら潤一を遊びに誘ったのだ。
潤一も潤一で、可能な限りに遊びの誘いを了承した。
その結果、潤一の夏休みの4分の3は愛莉が瑠奈のどちらかと遊ぶ形となった。
そのため、課題だけを勉強した夏休みを過ごして新学期を迎えてしまった。
新学期初日は始業式の後、簡単な説明を受けて放課後を迎えた。
潤一はゆっくりと帰りの支度を済ませ、騒がしい空間を後ろの戸から退出した。
潤一が昇降口に向かうために廊下を渡る途中、ある女子生徒が彼の視界に捉えられた。
その女子生徒は背丈150センチ前半と小柄であり、髪はライトブラウンのロングであり、瞳は茶色で唇は他人と比べて小さく、スタイルは並だった。
潤一は目を見開き、その女子生徒を凝視した。
潤一は真実だと認識できず、分析するようにその女子生徒の身体を観察した。
しかし、その女子生徒が視線に気づいたことで、潤一は目線を全く明後日の方向に移動させた。
これ以上は怪しまれると思った潤一はその女子生徒に興味を失ったフリをして、廊下を前進した。
潤一は信じられなかった。
まさか、またあの女子生徒が学校に登校してくるなど想定すらしていなかった。
だが、潤一はもうどうでも良いと言わんばかりに、先ほどの記憶を脳内から消した。
これで潤一があの女子生徒について深く考え、長い時間を費やさずにできた。
だって、もう興味がないのだから。
・・
今田と短期的に付き合って捨てられた丸井三波のことなど。
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