末永くよろしくお願いしますッス!
「で、でき、たあああああ!!!」
五日目の朝にして、その「
薄情な親だと自分でも思うが、今までの子たちのときもそうだった。
——そのとき産まれた子が、そのときの一番可愛い子。
それがこの世の真実だと思う。
もちろん次の日になれば、皆んな平等に可愛いのであるが、今日だけは、誕生日だけは、特別なのだ。
「イネス。ありがとう。俺はこれからモロー卿に連絡する。お前はもう休んでいい」
「冷たいこと言わないで欲しいッス。アタシも納品までは寝ないッスよ!」
「そうか。ありがとう」
「……いいえ、ッス」
薙刀と、そのレシピを見たモロー卿の反応はタンパクだった。いや、薙刀自体を見たときは「そうだがね! これだがね!!」とか言って、かなり興奮していたのけど、レシピを見て乾いた声で、こう言った。
「コレは——王国の連中が造るには、ちと無理があるんじゃないのかね?」
当たり前だ。
アタシとオヤカタが苦労して産み出した子供だ。他のヒトたちに、簡単に真似できるわけがない。
「ええ、ですので、コレからもご
「こうなると、そうせざるを得ないがね? ふむ、仕方がない、また宜しく頼むとするがね?」
うげ、オヤカタ! 余計なこと言わないで! またこのハゲ男爵に振り回され続けるじゃない!
アタシたちのスローライフはまだ遠い。でも、こんな日々だからこそ、楽しいのかもしれない。
こんなオヤカタだからこそ、アタシはオヤカタが好きなのだ。
「オヤカタ」
「ん?」
「コレからも、末永くよろしくお願いしますッス」
「——ああ」
島 薙刀 廊下 終わり。
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