捨てるための日記

書け

残すためでなく捨てるために


料理をしろ

食い散らかすために


覚えろ

忘れるために


壊すために作り

腐るために実り

死ぬために生きろ


躑躅は植えられた場所に咲き

鳩は撒かれた餌に集う


精神に残せるものは何もない

網膜はどこまでも青い空を映し

鼓膜は踏切の音に震え

声帯はその役割を忘れた


すべての無駄は美しい!

あらゆる無意味は楽しい!


有用性がなんと言おうと

おれはその口の中に唾を吐くぞ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

詩に至る病 Kyju -キユ- @Tsukikusano

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る