第3話


 わたしはうさぎ!


おうちで暮らしているの♪



今日もぴょんぴょん!

バタバタ! ぐ~るぐる!

 

いててっ!

もう~! このじめん、いっつもつるっつる!

 


うふふふ! うふふ!


ばたっ ばたたっ ベタンッ


でも楽しくってやめられない!



 お外でごはんも、も~りもり♪

ぱくぱく食べちゃうんだから♪








 

 あらっ!?

だれかがこっちをみているわ!



きゅーっ!! 近くに来る!!


 

きゅっきゅー!!❤️




 




 「うまそう」

 



 まぁ! なんてかっこいいお方!!

しゅ~っとしてるのに、とっても強そう!!

 



 好き!!❤️




「うふふ!こんにちは! たべる? 」



 誰だか分からないけど、もう好き❤️だから、

わたしのごはん、とくべつにわけてあ・げ・る♪

 


「くれるなら上押して木箱から出てきてよ」

 

「“おす”? 」

 

「屋根のベニヤ板。ほら、頭でぐいってさ。勢いつければおさえの石も落とせそうだし」

 


 む?



「ああっ! このたべもの、“やねのべにやばん”っていうのね。❤️

ん~しょっ! 待ってて! ちょっとならいいから! んっしょ、んっしょ! 」


 

 あたまとおはなでぐ~いぐい!

 

でもあげるのは、本当にちょっとだからね!

わたしだって食べるのだいすきだもんっ!



「…うわ。こんな世間知らずの箱入りうさぎ、はじめてみた。

金網に感謝しなよ。それなかったら君、とっくにここにいないから」


 

 “かなあみ”? それもたべものかしら?


 

「そうね! 食べなきゃしんじゃうもの! 」


 

「…もういいや。 ったく。


君、好きな食べ物は?

俺はネズミやうさぎが大好物なんだ。でっぷりしたメスなんかもう最高。

だからさ、しゃべってないで早く出てきてよ。待っててあげてるんだから」


 

 きゅーっっ!!!!

なによ! おれさまっ!


もう! 好き好きっ!!❤️


 

「うふふ! 話し方もすてきね! あなたみたいなおかた、わたしもはじめて!

あなたもうさぎ? それともアヒル? 」



 

「うさぎもアヒルも食える猫 」


 



 むぅ!? “ねこ”??




 ねこーっっ!!



 

「ねこ! 聞いたことないおなまえだわっ!


ってことは~!?

きゃー!! はじめて会っちゃったー!!

ふふっ!❤️

はじめまして~♪ ねっこさんっ♪ 」



 きゅ~! あたまをぎゅっとさせてるのもすてきっ❤️

それがねこさんのあいさつなのかしら♪



「えっとね、あなたの色は~“しろ”!

ええ! 白だわ!

知ってるのよ! わたしのおなかとおんなじ色だもの!

クリームみたいでおいしそうだねって、おうちのヒトがよくほめてくれるの! 」



 おそろいね、あなた♪ ❤️

なんちゃって♪ うふふっ!❤️

 

 

「……うるさいなぁ。やっぱ君、色々違うね。他のうさぎとは。

どんくらい生きてて“ソレ”なの?」

 

「わたしはうさぎ!

いつ生まれたかは分からないわ!

でも、ぴょんぴょんぐるぐる飛び回れちゃうくらい、毎日元気はいっぱいよっ!

おうちの地面はつるつるだからよく転んじゃうけど!」

 

 “こらっ♪”ってなでて~! ❤️



「だいたい 1、2年ってとこか。

ん~。 ま、今日はいいや」



 

 えっ。 (ガビーン!💔)


 

「とりあえず君は俺が予約したってことで。他のやつがきたら言ってよ。“自分はジャックのものです”って。

ここらのヤツなら皆足引くと思うから」


 

「食べて食べて! 待ってるわ! 」


 


 よかった~!💝

 



「さすが飼われてるおじょうさま。野うさぎならありえない返し」

 


「“やねのべにやばん”じゃないのも

とっとくから、ぜったいまた会いに来てね!

ジャックさん!」



「はいはい。いっぱい食べときなよ」

 


「むみ~! 言われなくたって! 」



 きゅ~…さみしいわ……!!

もっとお話したかったのに!!




「じゃ」



「わたし、ぜったい忘れないから!

何年たっても忘れないから!

ジャックさんもぜったい忘れないでね!!


ずーっとここで待ってるからーっっ!! 」

 



 

 

 


 

 


 


 

 

 



 






 




 ぱち


















 ふぁ~あ。




 ねむねむ。












  いついつか、いち。 なのか、いち。



 



 これも、また夢。


 どれも夢。















 ぷぅぷぅぷぅ。




 









 わたしは──うさぎ。

 

わたしはうさぎ。


 


チャックさん……チャックさんの。


 

 




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