士官学校2

 士官学校二年になった直後のとある日の放課後、

自室に戻ろうとしていた私はコミさんに呼び止められました。

「フラーさん、少々お話をよろしいでしょうか」

コミさんから話しかけられることなんてあったかしら。

そう考えるとコミさんから会話を振る事は皆無だったと気づいたのですが、

今までは無視されたようで酷い仕打ちと思ってしまいました。

「あら、コミさんに呼ばれるのは珍しいわね」と答えました。

「別に珍しくはありませんよ、僕は必要な事は言う質なのでね」

私は少し違和感を覚えました。

『必要な事』と言う単語が気になったのです。

「どんな御用かしら」何か不自然さを覚えつつ聞いてみました。

「二人で話したい、貴方の部屋へと誘ってくれませんか?」

また違和感を感じました、何かがいつもと違うのです。

コミさんが遠慮なしにグイグイと私の心の中に入り込んでくる感じなのです。

でも三人組の仲です、私は部屋へ入ることを許可しました。

「ええ、どうぞ」

コミさんは一礼をして私の部屋に入ってきました。

そしてコミさんは部屋を一周ひとまわしして言う。

「随分とシンプルな部屋なのですね」

それは予想された言葉なので普通に返事をしました。

「候補生と言っても軍人ですからね、余分な私物は持ち込んでいませんよ」

そう言われてコミは納得したようで頷いていました。

「なるほど、確かに普通の女性の部屋のイメージは軍人には似合いませんね」

「今は水出しのホレイ茶しかありませんがどうぞ」

ホレイ茶とはその名の通りホレイという植物の葉を煎じたお茶です。

「どの部屋に行ってもホレイ茶出されますよね」とコミさんが言いました。

私は休日に買い出しに行ったクッキーを添えてホレイ茶を差し出しました。

「む、これは甘味処ファロのクッキーなのでは?」

コミさんのその言葉に私は少々驚きました。

ファロは客が女性ばかりでコミさんが知っているとは思っていませんでした。

「よくご存知ですのね、知っている男性がいるとは思いませんでした」

「何、男は女性の事を学ぶのが好きなのですよ」

納得しましたが、さてどこで学んだのでしょうか、ふふ。

コミさんはお茶を一口飲んでからクッキーをサクサクと食べています。

クッキーの美味しさに表情を変えているのが目に見えて微笑ましいです。

「それで、お話というのは何でしょうか?」と私は聞いてみました。

「まぁ、そう急ぐことではないですよ」どことなくそっけない返答でした。

コミは心底楽しんでいるようでゆっくりとホレイ茶を飲んでいます。

飲みながら以前住んでいたトゥゴマ公国のベアダの町の話をしてくれました。

「ベアダの町はメッサよりも小さいのですが、

例外を除けばエルフしか住んでいないのですよ。

僕も町を出て旅中で初めて他の種族を見たくらいです。

ただ、異常に保守的な雰囲気が漂っていて少々息苦しさを感じていました。

ここは違います、徴兵というかせはあるものの自由を感じますね。

ベアダは違うんですよ、何をするにしても掟に沿っているかどうか、

知らずに掟をたがえても情状酌量の余地なく許されないのです。

罰も厳しくて片耳を削ぐとか残酷で。

片耳になったエルフは一生掟破りの烙印を押されて、

そうなったらベアダを離れて放浪の旅に出るしかないのです。

そもそも掟も様々な範囲にわたり多すぎて、

全てを知るものなんて支配者階級の長老達数名しかいないのです。

だから町に住むものはみんな、

やる事なす事が掟に背いていないか恐れて暮らしている。

そんな息苦しい場所なんですよ」

初めて聞く話でとても興味深い内容に聞こえました。

ですが、ここまで滑舌かつぜつなコミさんは初めて見ました。

もしかしたら何か言いたいことを言うタイミングがなくて困っているのでは?

そう思ったらちょっと勇気を出して私から話をふってみました。

「大変に興味深いお話でした。でもコミさんが話したいことは他にあるのでは?」

そうしたらコミさんは残ったホレイ茶を一気に飲み干して立ち上がりました。

「そうですね、本題は全く違いますよ」

何故立ち上がったのか、私はいもしれぬ恐怖感に襲われたのです。

コミさんはテーブルを回って私に近づきました、そして言ったのです。

「僕は先日、この左足では士官として役に立たないと告げられました。

僕はまだ人一倍に剣術は強いが走れないのではいざという時役に立たないと。

これでは卒業はできないから今のうちに別の人生を考えろと。

なんでだ? 僕は誰よりも才能があるんだぞ!?

剣術では今でもズキより強い!

なのに何故退学を勧告されるんだ!?

水トカゲの時にお前が突っ立ってたから俺が身代わりになったんだ!

そのせいで僕の人生は狂ったんだ、あの時感謝の言葉も謝罪もなかったよな?

お前は僕の人生を奪っておいて何をのうのうと生きているんだ?

申し訳ないとは思わないのか!?」

突然のコミさんの怒りに私は顔が青ざめ呼吸が荒くなりました。

「ち、ちが…私は…」

何か言おうとしましたが怒気に気圧されて言葉になりませんでした。

「この期に及んでまだ言い訳をしようとするのか!?」

そう言うなり私は襟元えりもとを捕まれたのです。

あの時は三人とも危険を承知で決めて、と言いたかったのですが、

言ったらさらなる激情を引き出してしまうと思い何も言えませんでした。

「責任を取れ、責任を取れよ!」とコミさんは涙目で叫んでいました。

「ど、どうすれば…」と私は涙目になり返答します。

「僕の言いなりになれ」と彼は荒ぶる息を抑えるように言いました。

そして私は恐怖のあまり彼の言うなりとなるしかありませんでした。


 その日はいつもとは違いコミもフラーも学校に来ていないようだった。

士官学校で無断欠勤など大きな懲罰を受けるので普通とは思えなかった。

今日もムサフィーリ教官が殆ど付きっ切りで教授してくれたけど、

相変わらずなんの成果もなかった。

教官は「魔法が使えなくても詠唱の発音だけはしっかり覚えておくように」

いつものようにそう言い残して午前中の授業は終わったけど、

昼飯はフラーに任せっきりでいたので今日は久しぶりに食堂を利用した。

二人揃っての欠勤なんて普通だとは思えないので何かあったのかもしれない。

学校を抜け出してどこか行った? 俺を残して?

憶測に過ぎないけどなにか起きてる感じはした。

そんな事を考えている間にいつの間にか飯を食い終わってた。

味など何も感じないで二人についての考えに没頭していた。

今日の午後は週二回の剣術の課題だった。

頭の中のもやもやを打ち払うように暴れ怪我人を出してしまったけど、

士官学校ともなれば実戦形式なのでその位の事で罰はなかった。

 夕方になり全ての課題が終わって寄宿舎へと戻ると、

部屋の前にコミとフラーがいた。

「やっと帰ってきたようだね」とコミが話しかけた。

「コミ、フラー、二人共無断欠勤なんかしてどうしたんだ?

少年士官学校と違って無断欠勤なんかしたら懲罰モノだよ」

その言葉にコミはニヤリと笑った。

「懲罰か、そんなものを怖がるとでも思ったのか?」

コミの口調がいつもと違う、おかしい変だぞ、なんだこれ?

「懲罰が怖くない? どういうことなんだ?」

俺はそう聞きながら自分が少し呆けた顔をしているのがわかった。

「その言葉のとおりさ俺達はここをやめる、

もうこんな所に未練はないから懲罰なんて鼻で笑っちまうさ」

やめる、その言葉が理解できなかった。

「やめるってどういうことなんだ?」

「どういうことも何も、学校側からやめろと言われているのさ。

この左足のせいでね」

それは衝撃的な発言だった。と、共に気になる台詞があった。

「ちょっとまて今俺達と行ったよな、それはフラーのことなのか?」

「他に誰がいる?」

「フラー! どういうことなんだ!?」と聞くとフラーはコミの後ろに隠れた。

まるで俺のことを恐れているようにうつむいて震えているようだった。

「貴様! フラーに何をしたんだ!」

「何だって? 昨日からさっきまでよろしくやっていたんだよ」

コミはそう答えると高笑いをした。

「嘘を言うな!」

「嘘じゃないさ、そう言えばお前はフラーの初キスの相手だったそうだな。

寝物語でお前たちの事は全て聞かせてもらったよ。

フラーはお前じゃなくて僕を選んだんだよ」コミはニヤリとした。

俺は初恋の思い出が全て壊されたショックで一瞬放心したが、

すぐに逆上してコミに殴りかかった。

しかし冷静を欠いた拳の動きはみえみえでコミに避けられ、

足を引っ掛けられて転ばされる。

コミは勝ち誇ったように言う。

「はは、この左足でもお前には負けないさ。

あれから僕がどれだけ努力したと思っているんだ。

今までは本気を隠していたが実際はお前とは格段の差ができているのさ」

コミの足を掴もうとしたが制止する声が聞こえた。

「ズキさんやめてください」とはフラーの言葉だった。

俺はやめるべきはどっちなんだと言い返したかったが、

フラーにきつい言葉を言うのをためらった。

「フラー、公園での出来事はそんなに軽いものだったのか?」

「当たり前だ」とコミが横槍を入れる。

「でなければ何故今フラーは僕の後ろにいると思っているんだ」

「ちくしょう!」と立ち上がった俺はまた食って掛かるが、

コミが持っていた杖で打ち据えられて再び昏倒することとなった。

 目覚めた時は以前と同じ医務室だった。

衛生兵が看護にあたっていた、そして教官長も部屋で待機していた。

「なにがあったのか」

教官長は俺の目が覚めるなり質問してきた。

「…コミにやられました…」俺は小さな声でそう答えた。

「コミなら夕方にフラーと共に退学届を出して、

即時受理され、もうここにはおらん」

あぁ、やはりフラーもついて行ったのか…。

「コミが辞める理由は聞きました。

ですがフラーが付いて行ったのは納得できません」

「二人はこの国を出て落ち着いたら結婚すると言っていたぞ」

その言葉に俺は狐につままれたような気持ちに陥った。

何故? 昨日までは恋人だと思っていたのに、いきなり捨てられた。

その時ふと思った、フラーは確かに怯えていた。

その相手は俺じゃなくコミに対してでは? 自分に都合の良い解釈だったが。

だが俺はその考えに執着した、そう思わないとり切れないのだ。

「で、なにがあったのだ?」

教官長が再び聞いた。

俺はやけっぱちになって答えた。

「ただの三角関係です」

今の発言は懲罰に値するものだろうが俺はもうどうとでもなれと思っていた。

「ほぉ、職場で色恋沙汰とな?

貴様にもそれ相当の罰を与えんとな、覚悟しておけよ」

教官長は俺の答えがに落ちたのかすんなりと納得したようで、

教官長はもう俺の顔も見ることもなく直ぐに医務室から出ていった。

なげやりになった俺の気持ちはそれがそのまま怒りへと転化した。

コミ…絶対に許さない、この広い大陸を探し回って絶対にみつけだす。

俺はそう決意したが今は怪我と失意で気力を失い再び眠りについた。

 次の日の昼前に目が覚め俺は飛び起きた。

昨日の出来事全てを思い出して。

コミに復讐をを決意したが今の実力ではコミには勝てない。

だがムサフィーリ教官が事ある毎に俺は魔法の天才だと言ったのを思い出す。

教官に理由をはぐらかされていたけど今度こそ教えてもらおうと決める。

昼休みに食事も摂らないで教官室へと向かった。

ムサフィーリ教官は丁度手製の弁当を食べようとしている所だった。

「教官!」俺は挨拶もなくいきなり話しかけた。

一瞬ビックリしたような表情をした教官だったが直ぐに気を取り戻し、

「何の用だね?」と返された。

「俺は魔法を全く使えないですが教官は俺に才能があるといいます。

一体どう言うことなのか教えてほしい。

今日は教えてくれるまでは絶対に引き下がらない覚悟です」

激しい表情でそう言うとムサフィーリ教官は何やら考え込んだ。

昨日の事件のあらましを聞いていたのかもしれない。

教官は右手をあごに添えて考えるような格好で返事をした。

「う~む、本気なんだね?」

「もちろん!」間髪入れずに答える。

「その事は私の一存では答えられないのだよ。

責任ある人物と前向きに相談するので待ってくれないか。

その人物は気軽に会える人ではないので数日掛かると思うが、

きっと良い返事をくれると思う」

「わかりました、少し程度なら待ちましょう」

「だが…、復讐なんぞ虚しいだけだぞ?」

教官はやはり昨日の事を知っていたがどうでもいいことだった。

 週一度の休みの日の正午に応接室に来るように言われた。

当日、正午の鐘がなり俺は応接室へと向かうと室内には二人の人物がいた。

ムサフィーリ教官ともう一人も見たことがある。

確か宮廷魔道士だったか。

そう言えばこの人も俺に魔法の才能があると言っていたな。

ムサフィーリ教官は立ち上がり、

「やあ来たね、紹介するよこの御方は宮廷魔道士のケンジャ様だ」

「賢者というと各種属性魔法と神聖魔法を使えるという?」

「ちがうのだ~、ケンジャという名前だ~」

部屋に来るまでは意気込んでいたが、

質問に対する答えと彼女のゆっくりな口調に一気に萎えた。

一応社交辞令としての対話から入ろう。

「若いのに宮廷魔道士なのですね」

「わたしか~? ハイエルフなのでぇ三百歳超えているぞ~?」

ハイエルフのことは寿命が長い位しか知らないが何か凄いと感じた。

続けてケンジャ様が話す「私はこう見ても忙しいのだ~、早速本題に入る~」

それは俺も望む所だった「是非、教えて下さい」

「聞くと心に傷を追うぞ~? それでも聞くのか~?」

「構いません」

ケンジャ様はゆったりとした口調で話し出す。

「おぬしはぁ、わたしよりも才能のある魔法使いなのだぁ。

だが魔法が全く使えない~、それも当然なのだ~。

何故ならば! わたしとムサフィーリが~、

それぞれおぬしにぃ魔法封印の刻印を刻んだからなのだ~。

それもこれもぉ、おぬしは魔法の制御ができないので~、

意識しないで召喚魔法をぉ発動させてしまったからなのだ~。

しかもおぬしの魔法適性はぁ熱属性でぇその中でも火に特化した才能だ~。

そして意識しないでぇ火の精霊を呼び出した結果~、

…お前の両親は死ぬ事となったのだ~」

そこまで聞いて脂汗が噴き出した。

「ま、まってくれ、俺が両親を殺したというのか?」

ケンジャ様は相変わらずぼ~っとした表情で答えた。

「そういう事だのぉ~、制御できない火の魔法など危険極まりない~。

だから私とムサフィーリはぁ、魔法を使えないように封印をしたのだ~。

聞いたぞお~、おぬしは復讐のために魔法を覚えるのだそうだのぉ。

だがムサフィーリからぁおぬしが火に近づけないほど~、

火を怖がっているともぉ報告を受けているのだ~。

封印を解いてもぉ、果たして火属性特化のお主は魔法が使えるのか~?」

それは絶望に近い宣告だった、火の魔法なんて使えるわけがない。

落ち込む俺の心を悟ったのかケンジャ様が道筋を示す。

「恐怖を治すのは時間がかかるぞ~、まずはこの士官学校を卒業するのだ~。

そして士官として働きながらぁ気長に慣れていくしか方法はないぞ~?

しかし、封印はもう解いても大丈夫だろぅ」

そう言うとケンジャ様は数秒の呪文の後に俺の後頭部を軽く叩いた。

その後直ぐにムサフィーリ教官が俺のおでこを左手で叩く。

そしてケンジャ様が俺に言った。

「これで封印は解けたのだぁ。

レベル一の光と土属性魔法ならぁ今のおぬしでも使えるであろう。

ただ一つだけ注意する事があるのだ~。

この封印を解くとおぬしにはぁ精霊のささやきが聞こえるようになるのだ~。

決してその囁きにぃ耳を貸すのではないぞ~、自我が保てなくなる~」

随分と簡単に封印とやらは解けてしまったようだ。

この二人のせいで魔法が使えなかったという恨みは全くなかった。

俺のせいで両親が死んだ事実を知ってしまったから、

忌むべき魔法を封じてくれたことに感謝すらした。

魔法を使わせないことで今まで俺や周りの人達を守ってくれていたんだ。

それと精霊の囁きとはなんだろう。

話し声が聞こえるのだろうか。

少し気になったが大いに満足できる結果だった。

だが心が晴れない事が一つだけあった。

「光と土の魔法は攻撃には全く向かない魔法です、

そして覚えたとしても地方武官が関の山、

地方に飛ばされたら新しい魔法の習得は全く望めませんし剣術も学べない、

今よりずっと強くならないと奴には勝てない…」

「よしよし~、それならばわたしが近衛隊に推薦しておこう~」

「え? そんな簡単に決めて良いんですか?」

「ふっふっふ、おぬしの日頃の行いはぁ逐一聞いているのだ~。

信用できると確信している~、復讐はマイナス点だがのぉ~。

それとぉ、おぬしが必要だと~、

精霊神ファイーナから神託があったのだぁ。

あとはぁ、復讐相手はおぬしより剣術が上手いのであろ~?

普通に魔法を詠唱していたのではぁ戦いにならないからのぉ。

宮廷に来たらわたしがぁ高速詠唱を教えてやるのだ~」

(逐一聞いていた? 何故?)

「どうして俺の動向をそんなに気にするのです?」

「覚えていないか~、少しだがぁ、わたしが幼いおぬしを育てたのだぞ~?

おぬしの両親とは懇意にしていたのだ~」

「ケンジャ様が俺を育てた?」

「幼い時の記憶はぁ、両親が亡くなったショックで失っているようだのぉ。

そんなところだぁ、わたしはそろそろぉ宮廷に戻らないといけないのだ~。

なのでこの辺で帰るとするぞ~。

くれぐれも言っておくのだ~、精霊の囁きに耳を貸すのではないぞ~」

そう言うとケンジャ様は立ち上がり部屋から出ていった。

終始無言だったムサフィーリ教官もあとに続く。

ならばと俺も立ち上がってムサフィーリ教官の後ろに立つと、

教官は立ち止まって振り返った。

そして一言「すまない事をした」と言って部屋から出ていった。

俺は魔法を封印した事だと思った。

 レベル一の光土魔法はその日のうちに使えるようになった。

ムサフィーリ教官が散々口を酸っぱくして言っていた、

「魔法が使えなくても詠唱の発音だけは正確に覚えておけ」

と言った意味がその時になってわかった。

そして士官学校の残り一年間はがむしゃらに学びに学んだ。

フラーの両親が娘と連絡が取れないと言って学校にやってきたので、

やはりあの二人は旅に出たのだとわかった。

いつの日か必ず見つけ出すつもりだ。

コミがいなくなり、剣術の練習相手がいなくなってしまったので、

剣術教官が直々に相手になってくれるようになり剣術はかなり上達した。

そして最終的に総合成績上の下と言う所で卒業を迎えることになった。

ケンジャ様は約束を守ってくれ俺は近衛隊としての道を歩む。

学生時代中に火への耐性を得ようとなんとか頑張ったが、

ろうそく一本ですら恐怖で体が硬直する程に進歩が見られなかった。

そして十七歳の新年、配属書を持ち宮廷へと向かったのだった。

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