大変だ!
オレはオタクだ。
しかしバク転や側転ができるし毎日、から
だも鍛えているから運動のできるオタクな
のである。
しかも、なんちゃってだが美少女の彼女だ
という肩書きもある。
だからどうしたよ。
オレ…。
今日は、学校が休みだ。
なのでからだを鍛えにあの神社に来ている。
しばらくボーッとしながら景色を堪能して
いた。
するとなんかゆらゆらとした変な感覚に陥
った。
ん?
めまいか?
なんか違うな…
神社をみると建物が揺れてる⁉︎
地震か!
外にいるとわかりづらいがどんどん揺れが
激しくなっているように思う。
…こんな地震初めてだな。
結構長いこと揺れていた。
するとサイレンがなった。
地震のため津波に気をつけてくださいと。
ん‼︎
美崎さんち大丈夫かよ⁈
あそこかなり海に近い。
おいおい…
やばいんじゃね⁉︎
どうか美崎さん家にいないでくれ。
オレは美崎さんの家に全力で走った。
するとたくさんの人が高台に向かって走っ
ていた。
その逆を行くオレ。
「おい!にいちゃん‼︎もうすぐ津波くるぞ‼︎
そっちはあぶねー‼︎」
って誰かが叫んだ。
でも、オレは美少女…
いや、美崎さんを守り抜くって決めたんだ。
待ってろよ!
今行くから。
全力でみんなと別の方向に走っていると、
いた‼︎
美崎さん‼︎
おばあちゃんも一緒だ。
車椅子押してるからみんなより出遅れたん
だ。
「美崎さん‼︎」
「えっ⁉︎紀田くん⁉︎どうして…」
「いいから早く走って」
「え、でもわたしおばあちゃんが」
「うん。おばあちゃんは、オレが助ける。だ
から美崎さん走って」
「うん…」
急いでとにかく走った。
そして高台に向かった。
一番早く高台に行くにはあの階段をのぼら
ないといけない。
でも、おばあちゃんは車椅子…
階段の上からはよく下の状況が見えるよう
だ。
「おーい‼︎お前ら!もうそこまで津波が来て
る!早く走れー‼︎」
と。
すると車椅子のおばあちゃんが
「わたしはもう歳だから行きなさい。二人と
もありがとう。生きて」
と言った。
美崎さんは、
「イヤだよ‼︎おばあちゃんをおいてなんてい
けないよ」
と、ぼろぼろ泣いた。
「時間がない。おばあちゃんオレの背中に」
おばあちゃんは、びっくりした顔をした。
そしてこう言った。
「この階段は、若い人でもわたしをおぶって
上がるのは無理だよ。わたしは、大丈夫だ
から」
と、おばあちゃん。
でも…そんな事できるわけない‼︎
ズゴゴゴゴー
どこからともなく不気味な音が聞こえる…
津波に巻き込まれてたまるか‼︎
「大丈夫‼︎ほら早く‼︎」
おばあちゃんを、オレの背中に乗せた。
「美崎さんも走って!」
高台では、
「おいおい…それは無理だろぅ」
という声が漏れ出した。
でも、オレはやってやる‼︎
毎日鍛えてきたんだ‼︎
うおーっ‼︎
オレは全力で階段を登った。
絶対おばあちゃんを死なせない‼︎
そしてオレも死なねー‼︎
階段の上では、みんなオレたちに声援を上
げていた。
そして…
はぁ、はぁ、はぁ。
なんとかギリで階段を登り切った。
途中からは、誰かが背中を押して手伝って
くれた。
もちろん美崎さんも。
オレは登り切ったあとおばあちゃんを背中
から下ろし土の上に大の字になった。
あー、助かった…。
そしてすごい声援が送られた。
美崎さんは、ぼろぼろ泣きながらありがと
うってオレに抱きついた。
うわっ。
すごっ。
抱きつかれたぁ。
でも、オレ汗くさいよ〜…。
なんて思った。
高台に登ったおばあちゃんも涙を流してあ
りがとうと言った。
助かってよかった。
そしておばあちゃんにこの景色を見せてあ
げることができてほんとによかった。
それから数日後。
学校で友達に言われた。
紀田の動画がバスってるって。
なんで今ヲタ芸⁉︎と思ったら…
えっ⁉︎
これは…
津波のときのオレ。
おばあちゃんをおんぶして必死に階段を走
る様子が映されていた。
…
だれか動画撮ってたんだ。
…まったく。
ってかバズりすぎ。
あの後オレは、感謝状をいただいた。
そしてオレはまた有名になった。
運動できてカッコよくて優しい好青年と…
だからよく他校の女子がオレにあいに来た。
でも、いつも美少女と下校していたからお
かげさまで断る前に、
「あ、彼女いたんだ…」
ってなるから助かったのである。
続く。
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