美少女のお宅

 本日も次の日もまた次の日も美少女と下校。

 

 オレたちは、ずっと付き合っていると噂さ

 れていたがこう何日も一緒に帰っていると、

 誰も騒がなくなった。

 

 あー、やっぱり付き合ってたんじゃんって

 な感じで。

 

 いや、むしろ公認状態だ。

 …ほんとは付き合ってないのに、微妙。

 

 ま、とにかく美少女との下校は抜群に楽し

 い。

 

 オレの貸した漫画をきちんと読んでくれて

 いてたいがい下校は、その話でもちきりだ。

 

 美少女を今日も家の前まで送った。

 すると美少女が、

「わたしも読んでもらいたい本があるんだけ

 ど、よかったら今から少しうちにあがらな

 い?」

 なんていきなりびっくり発言してきた。

 

 ⁉︎オレが美少女のお宅へ⁉︎

 このオレが上がっていいんっすか⁉︎

 

「えっ⁉︎オレが美崎さんの部屋に⁉︎いいんっ

 すか⁉︎だってオレだよ⁉︎」

 慌てて美崎さんに質問した。

 すると、スクスク笑いながら

「なんで?全然いいよ。ってか無理には、あ

 れか…紀田くんが嫌なら…」

「あっ、全然イヤじゃない‼︎むしろ上がりた

 い」

 なんてまたキモい発言をうっかりしてしま

 った。

 

「ならよかった。さ、どうぞ」

 美少女に言われるままお宅へお邪魔させて

 いただいた。

 

 急展開。

 ドキドキ。

 そしてお邪魔させていただくと…

 

 うわぁー。

 白を基調としたオシャレな部屋ー。

 美少女の家って感じだわー。

 と、うっとりした。

 

 と同時におうちの人が誰もいなくて少しホ

 ッとした。

 

「わたしの部屋二階なの。どうぞ」

 

 …ついに美少女のお部屋。

 ドキドキ。

 

 白いドアオープン‼︎

 

「うわー‼︎スンゲー景色‼︎」

 ドアを開けると窓の外一面海だった。

「そうなの。絶景でしょ!わたしもこの景色

 大好きで。後でもっとすごくきれいな絶景

 スポット教えてあげる」

 と美少女がにっこりした。

「まだ他に絶景スポットあるんだ?スゲー」

 おれが外をみとれてると、美少女…

 

 なんだか浮かない顔をした。

 

「ん?どうしたの?」

「この部屋からの景色おばあちゃんが大好き

 だったんだ。でも、今は車椅子に乗ってる

 から、この景色見れないんだなって思って

 しまって。」

「あー、そうなんだ。おばあちゃん足が悪い

 んだ?」

「うん。だから病院に毎日通ってるの。今も

 多分お母さんと病院かな。帰ってきても車

 椅子に座ってボーッしてて」

「あぁ、だから玄関に車椅子」

「うん。外用と家用があるの」

「大変なんだね」

「あっ、ごめん。こんな話するはずじゃなか

 ったのに」

「いいよ」

「あ、そうそう。この漫画面白いよ」

 見るとたくさんの本。

 …あ、意外とオレの好きそうな本ある。

「面白そう」

「でしょ!」

「なら、お借りしよっかな」

「うん。ぜひ」

 という事でまた美少女との会話が弾むこと

 間違いない。

 

 そして案の定毎日楽しく下校していた。

 

 すると美少女が、

「ねぇ、寄り道しない?」

 って提案してきた。

「うん。いいよ。でもどこに?」

 オレの質問に美少女は、

「まえ、わたしの部屋の他にも絶景スポット

 あるって言ったじゃない。そこ行こう!」

 と微笑んだ。

「あー、言ってた。よし!行こう‼︎」

 ということで絶景スポットに向かった。

 

 結構階段をのぼるの大変だったけどのぼっ

 た先には、超絶絶景が待ち受けていた。

「うわー、なんだよこれ‼︎スゲー‼︎」

「でしょ?わたしここの景色大好き。おばあ

 ちゃんにも見せてあげたいけどこの階段は、

 無理だなー」

 と言った。

「あー、たしかになー」

「あ、それでね奥に神社があるの」

 ということで神社で一休み。

 

 ジュースを買いまた二人で絶景をしばらく

 堪能した。

 

 あー、スゲーなー。

 オレ美少女とこんな絶景みてんだなー。

 しかも美少女に教えてもらってさ。

 最近すごい事だらけだな。

 

 なんて考えてた。

 

 それから少ししてオレは美少女を送り届け

 た。

 

 その日以来オレは美少女を送ったあとあの

 階段をのぼり毎日絶景をみて帰るという習

 慣がついた。

 

 さすがに階段は、辛い。

 でも、オレは体力をつけたいんだ。

 なぜなら何かあった時美少女を守りたいか

 ら。

 だから体力をつけている。

 ただでさえ、オレが美少女の見守り隊をさ

 せてもらっているんだ。

 だからいざとなったら守り抜かねば!

 

 そう思って鍛えているのでありました。

 

 しかし、まさかこの階段の登り降りが役に

 立つ日が来ようとは…

 

 

 

 続く。

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