み、見てしまった
オレの隣の席の美少女は、オレに話しかけ
てくる時、やたら目を合わせてくる。
何かの呪いの儀式かもしれない。
なのでたまらず美少女に聞いてみることに
した。
こえーから早く決着をつけねば。
「ねー、」
「えっ、なにー?」
…っ。
やっぱりジーってオレの目を見てくる美少
女。
「なんでさ…目ジーっとみてはなすの?」
よし!聞いたぞ…。
聞いてやったぜ。
と思ってたら、また美少女が意外な返事を
返してきた。
しかも真顔で…
「あぁ、だって小学生の頃先生が話をする時
は、人の目を見てきちんとお話しなさいっ
て言ってたから」
なんて言うじゃねーか‼︎
はぁ⁉︎
なんだよ。
美少女。
マジかよ⁉︎
その言葉信じていいのかよ⁉︎
それがほんとなら、オレが一番やばい奴じ
ゃねーか。
…オレは、人を疑いすぎなのか⁉︎
美少女がひねくれてるんじゃなくてオタク
の心が…
イヤ、
オレの心がすさんでるだけなのか⁉︎
わかんねー…。
何考えてんだよ。
美少女さんよー…。
教えてくれよ。
誰か美少女の本心をさー‼︎
それが本当の理由ならば、あなたはただの
真面目な美少女だ。
容姿も心も美しいのかよ⁉︎
やっぱり神ってるじゃねーか…。
わかんねー。
マジでわかんねーっす。
よくわからない美少女を観察するのがなん
だかオレの日課となりつつある。
休み時間
美少女は、特定の女子とだけお喋りをする。
その特定の女子がどこかに行っていて居な
い場合は、ただただ座りボーっとしていた
り、肘をついて姿勢良く寝ている。
わたしは特定の人意外とは、お話しません
ってかんじなのだろう。
やっぱりお高い女に違いない。
なんて思っていたら、あまり親しくない女
子が美少女に話しかけてきたじゃないか。
すると美少女は、少し緊張気味で…なおか
つ頑張って笑顔しています風に微笑んだ。
…もしかして美少女…
お高いわけじゃなくてただの人見知り⁉︎
オレは思わずその女子が居なくなった後に、
「もしかして人見知り?」
なんて気さくに話しかけてしまった。
あっ、うっかり調子に乗って話しかけてし
まった。
すると美少女、
「え、うん。でもよくわかったね」
なんて言った後にっこりとした。
おーぉぉつ‼︎
美、美少女がオレに…
このオタクのオレににっこり微笑みかけて
くれたぞ⁉︎
えっ⁉︎
神様なんのご褒美だよ…。
バーチャルの世界では、よく美少女系キャ
ラに微笑んでもらったりなんなら一緒に冒
険の旅なんかしてるけど…ま、まさかこん
な…バーチャル世界以外でオレが…
このオレが美少女に微笑えんでもらえるな
んて…
ありがとう。
美少女よ。
オレは今すぐにでもあなたの前で手を合わ
せたいくらいです。
しかし‼︎
そんなことしたら、ただでさえオタクなの
に、さらにやばい奴だと思われてしまう。
なので、
「ま、オレもそこそこ人見知りだしいいんじ
ゃん?」
なんて言ってしまった。
オ、オレが美少女と普通に会話している…。
ありえないだろ…。
するとまたまた美少女が、
「うん!だね」
と言いながらまたにっこりしてきたじゃね
ーかよ。
いいのか?
こんなオレが美少女との時間を共有しても。
…なんかオレ、人生で今が一番最高な時な
んじゃね⁉︎
ヤッベー。
すんげーかわいい‼︎
やっぱり美少女は、普通の人間なんじゃね
⁉︎
ごめん。
美少女…散々疑って。
オレは密かに心の中でお詫びを申し上げた。
それからは、たまに美少女と普通に話すよ
うになった。
ま、たわいもない天気の話とかだけど。
しかし、とにかく楽しい。
このまま美少女と友達とかになれんじゃね
⁈
なんて淡い期待を抱いた。
なんなら…
この空気感なら…
オレにもチャンスが…
そして美少女が普通の女子だと信じきった
オレだったのだが…
み…みてしまった。
下校途中、美少女が金髪男子と仲良く歩い
ているところを。
あー…美少女よ。
人見知りとか言いながらもあんな金髪のに
いちゃんと仲良く歩いてるじゃんかよ。
人見知りは、そんな怖そうなやつと仲良く
歩けねーだろ。普通は‼︎
と心で叫んだ。
ま、所詮オレはただの隣の席。
美少女にとったらアリンコみたいなもんだ
ろう。
あっさり夢が崩れた。
ま、当たり前か。
次の日の朝オレは美少女からのあいさつを
不機嫌そうに返した。
すると美少女がまさかの言葉を発した。
続く。
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