オタクピンチ⁉︎

 オレの隣の席には、美少女の神様がいる。

 

 毎朝拝みたいくらいだ。

 

 オレは心からそう思っていた。

 

 今日の昼までは。

 

 …しかし。

 お昼休み…

 

 教室に学年で大人気の男子が現れた…

 

 しかもまさかの美少女美崎みさきさんをご指名し

 てきたのである…。

 

「おーい、美崎さんちょっといいかなー」

 なんて。

 

 ガタっと席を立ち呼ばれるまま美男美女は、

 どこかに歩いて行った。

 

 あ…神様…

 じゃない。

 …美崎さんは、やっぱり神様なんかじゃな

 くてただの美少女だ。

 

 オレは大人気男子のおかげで目を覚ます事

 ができた。

 

 

 これは罠だ。

 

 やっぱり罠なんだと思った。

 

 美少女は、神様じゃない。

 悪魔なんだと。

 

 …どうしよう。

 放課後あのイケメン男子にボコられるかも

 しれない…。

 

 奴らのシナリオは、きっとこうだ。

 

 オタクのオレに美少女が近づいて仲良くな

 った風に見せかけて、そしたらタイミング

 よくオレの彼女にちょっかいだすな。オタ

 クヤロー。金出せ、という展開だ。

 

 あるあるだ。

 

 ハハハ。

 

 だからこんなオレに優しくしてくれていた

 のか。

 あの美少女は。

 

 だとしたら辻褄が合う。

 

 あー…早退しよっかなー…。

 奴らにやられる前に。

 

 と思っていたら美少女が戻ってきた。

 

 あれ?

 

 意外と早く戻ってきたな。

 

 なんでもっとイチャイチャしてこなかった

 んだろう。

 作戦立ててただけなのか⁉︎

 なんて考えていたら、

 美少女の友達が…

 

「告られたんでしょ?ビックカップル成立だ

 ね⁉︎」

 って言った。

 

 あ、まだ付き合ってなかったのか。

 まぁ、付き合ってなくてもいくらでもオタ

 クを脅せる材料があるんだよな…きっと。

 

 さ、早いとこ早退して逃げなきゃ。

 そう思って帰る支度をせっせとしていた。

 すると、

「あー…、断った」

 なんて会話が聞こえてきた。

 

 何⁈

 付き合ってないし、断った⁉︎

 

 はぁー⁉︎

 

 しかし…なぜ美少女は、あんな美青年男子

 を振ったのだろう。

 

 ん?

 ってことは…オレは脅されない⁇

 

 あいつらグルじゃないって事か。

 

 ホッ。

 なら早退しなくても大丈夫か。

 

 しかし…なんで付き合わないんだろう…。

 

 やっぱり美人の考える事って理解不能だ。

 

 さ、帰ってオタ芸でもみよっと。

 

 

 次の日からもやっぱり美少女は、オレにあ

 いさつをしてくれた。

 

 しかしやっぱり美少女とオタクは、ただの

 隣の席なだけだ。

 

 あまり接点もないしオレはのびのびと暮ら

 そうと決めた。

 

 なので机に大好きなキャラクターを描いて

 一人でウハウハ喜んでいた。

 

 うん!なかなか上出来だ。

 

 オタク友達にもうめーじゃん。

 と褒められた。

 やっぱり、みこころんちゃんは可愛いよな

 ぁ。

 

 机に描いたキャラクターをさらに補修して

 いた。

 

 すると…

 あー…

 美少女からの視線を感じる…。

 

 うっわ。

 きんもって思われているに違いない。


 しかーし‼︎

 オレは気にしない。

 のびのびとオタク生活をエンジョイするん

 だ。

 そう開き直っていた。

 

 すると…

 まさかの美少女に話しかけられた。

 

「ねー、それ何?ってか誰?」って。

 

 だから、

「オレの好きなキャラクターみこころんちゃ

 ん」

 と、開き直って答えた。

 

 すると…まさかの…

 

「へー、かわいいね。ってか絵上手いね」

 なんて褒められた。

 

 は⁉︎

 てっきりキモって言われるかと思ったのに、

 まさかの褒められた⁉︎

 

 えっ⁉︎

 なんか…

 美少女って…

 意味わかんねー‼︎

 って心から思うオタクなのでありました。

 

 そしてとある授業中。

 

 美少女のペンが転がってきた。

 しかもオレと美少女のピッタリくっついた

 机の間に転がってとまった。

 

 そして、

「やっぱ、机くっついてると便利だね」

 なんて話しかけてきた。

 

「あー…うん」

 と答えた。

 

 なんか、結構お高いイメージだったけど意

 外と気さくに話しかけられる。

 

 …しかもさ、しかもこの人…

 

 めっちゃ目合わせてくんだけどー。

 

 何ー⁉︎

 

 オレはそれがずっと気になっていた。

 

 だから思い切って聞いてみようと思った。

 

 なんか、いろんな意味で怖かったから…

 だから、今日こそ真相を暴いて見せる。

 

 目を合わせてきて何を企んでいやがる。

 

 美少女よ。

 

 そしてついに真相が明らかになる。

 

 続く。

 

 

 

 

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