SSS級武器インビジブルスクエア
ジリジリと距離を詰めてくる六人の男達。全員、剣や斧などの
ならば、こっちはログボで手に入れた『SSS級インビジブルスクエア』を構えた。無色透明で、何も見えないけどな。
【インビジブルスクエア】
【レアリティ:SSS】
【部位:右手武器/左手武器】
【詳細】
透明な武器。
相手に見えないので、どんな装備なのか見分けがつかない。
この武器は『剣』、『斧』、『弓』、『槍』の
「な、なんだありゃ?」「おいおい。あのガキ、何もないのに構えてるぞ」「ブハハハ! 武器がないからって気が狂ったか!?」「こけおどしかよ。ダッサ」「こうなったら、小僧を倒してあの銀髪の少女をいただくか」「そりゃ名案だ!!」
六人が俺を取り囲む。
俺はSSS級武器『インビジブルスクエア』を“斧モード”へ形を変えた。俺の視点では、形状が斧になった。
片手で持てるほどの超軽量の大戦斧。
こいつの効果に地属性魔法がある。
これで六人を一気に叩きのめす。
「ローザ、俺から離れるなよ」
ローザの腰に手を添えるような素振りで、ちょっと寄ってもらう。
「は、はいっ……って、なんで抱き寄せてくれないんですか!?」
「す、すまん。ローザに触れていいのか分からなくて。ほら、まだ距離感もよく分からないし」
「今更ですか! いいですよ、いくらでも触って下さいよ。頭でも胸でも腰でも!」
んなムチャクチャな。だけど、ローザを魔法攻撃の巻き添えにするわけにはいかない。勇気を出して、俺はローザの腰に触れて寄せる。うわ、ウエスト細っ! 砕け散りそうな腰をしているな。
「いいんだよな!?」
「い、いいですよぉ~…」
声が
「なぁ~に、イチャイチャしてんだ!」「余裕だなガキ!」「なんかムカついてきたぞ」「銀髪の子を奪っちまえ!!」「ガキは殺せ、ぶっ殺せ!!」「うおおおおお!!」
俺はそのままインビジブルアックスの刃を地面へ叩き落とした。
『――――ズゥゥゥゥゥン!!』
大地が割れて、激しい地割れが起きた。周囲にいた六人に目掛けて地属性攻撃が炸裂。空気を引き裂くような魔法が稲妻となって激烈ヒット。
「「「「「「うああああああああああああああ!!!」」」」」」
ゴミのように吹き飛ぶ六人。
あのレイラすら巻き込み、散り散りとなった。お~、あんな転がって、遠くまで吹き飛んでいくとはな。各々、壁やら噴水やらに激突していた。
周囲の冒険者も何事かと振り向く。
「な、なんだぁ!?」「大魔法?」「こんなところで喧嘩かぁ」「すげえ魔法だったな」「あんなの上級冒険者でも使えないぞ」「どこのどいつだ」
俺は、今の内にローザを連れて現場を立ち去った。
▼△▼△▼△
冒険者ギルドまで走った。
「予想以上の威力だったな、ローザ」
「は、はい。アビスさんのSSS級装備、やばくないですか! たった一撃で六人の大男をやっつけちゃったんですから」
二人で喜び合う。
レイラは巻き添えでどっかへ吹っ飛んでいったし、少しはスッキリした。
そうか、これが『インビジブルスクエア』の威力。それだけではない、他のインビジブル系装備が俺を最強にしてくれた。
もっとレベルアップしたら、どうなってしまうんだろうな。ワクワクしてきた。
強くなる為にも高難易度ダンジョンへ向かう必要がある。俺は、ギルドの受付嬢のグレイスさんに話しかけた。
「いらっしゃいませ、アビスさん」
「俺の名前、憶えてくれたんだ」
「ええ、もうすっかり常連さんですし。それに、お姉さんはアビスさんのような頑張り屋さんを全力で応援したいし、サポートしたいんですっ」
わ……顔近い。グレイスさんの香水だろうか
「助かるよ。それで、今から上級以上のダンジョンへ潜りたいんだ。なんかクエストとかない?」
「上級以上!? ちょ、ちょっと待って下さい。アビスくんのレベルでは無理ですよ。死んじゃいます!」
慌てるお姉さん。俺を引き留めようと必死になる。当然の反応だな。だけど、今の俺はもうSSS級装備で固めているから何も問題はない。それを説明した。
「――というわけなんだ」
「う、うそー…、そんな装備をしているようには見えないですけど」
「透明だからね。分からないんだ」
グレイスさんは、ポカーンと口を開けていた。どうしたものかと立ち尽くしていると、ローザが前へ出た。
「あの、おススメの上級ダンジョンを教えてください。アビスさんが困っているでしょう」
「は、はい。そうですね……では『メテオゴーレムダンジョン』はいかがでしょうか。ゴーレムの落とす破片が高く売れるんです。それに、レベル上げにも最適です」
詳細を見せて貰った。
【メテオゴーレムダンジョン】
【難易度:★★★★★★】
【詳細】
リディア共和国より南西にあるゴーレムダンジョン。ゴーレム、アイアンゴーレム、ラヴァゴーレム、アイスゴーレム、ウッドゴーレム、メテオゴーレムなど生息している。ボスモンスターの『ギガントメテオゴーレム』には注意せよ。
俺は驚いた。
難易度が『★★★★★★』だって? この前行った洞窟ダンジョンで『★』だから、かなり危険度の高いダンジョンと見ていい。
だけど、難しければ難しいほど得る物も多い。
「分かった。そこにする。グレイスさん、そこへどうやって行けばいい?」
「リディア共和国への転送サービスがあります。お一人様『5,000ベル』となりますが、いかがなさいますか?」
「じゃあ転送を頼む。ローザの分も」
「かしこまりました。では、二名分として『10,000ベル』いただきますね」
俺は、転送料金を支払った。
いよいよ共和国へ向かうぞ。
どうやら、転送には専門の転送職員がいるようだった。他の窓口へ向かう。
「ようこそいらっしゃいました。私は『リン』と申します。お二人をリディア共和国へ転送しますね」
黒髪ツインテールの可愛い人だなあ。この女の子が転送してくれるんだ。
前に立つよう言われ、俺とローザは並ぶ。直後、リンという転送職員さんは、こちらに手を向けた。もしかして、転送って魔法スキルの一種なのか。
ピカッと目の前が光った。
「うわ、なんか光の柱が出来たぞ」
「ただいま、ワープポータルを開きました。これに飛び込めば共和国です。三分後には閉じてしまいますので、早めに入って下さいね」
なるほどねえ、これが転送のスキルか。はじめて見た。俺とローザは『ワープポータル』の中へ飛び込んだ。
***おねがい***
続きが読みたいと思ったらでいいので『★×3』をしていただけると非常に助かります。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます