第13話 雨に暴かれた


朝から降り続く雨は

止まることを知らず

夜になっても 

いまだ騒がしく街を濡らしていく


昼間だって

いつもよりぐんと水位の上がった川が

勢いよく走っていた

周りの草を薙ぎ倒し

たくさんの石を砕き

自らをどんどん濁らせながら


ああ僕も

この雨に洗われてしまえばいい

塗り固めた嘘とか

下らない虚勢とか 

全部全部洗い流せたらいい


雨に暴かれた僕の姿は

頼りなさげに夜の街を漂う

きっと生まれ落ちたばかりの人間は

こんなにかよわく生々しい


雨に暴かれた僕の心は

果てのない夜の街を漂う

純粋で残酷で計算も何もない

柔らかな笑みを浮かべながら

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