第2話「犯人はこの中にいる」


  牟児津には芸術が分からない。絵の巧拙はなんとなく分かるが、美術的絵画になると何が良くて何が良くないのかさっぱり分からない。彫刻品はどれも『そういう形の置物』でしかないし、音楽や演劇に至っては良し悪しを判断する尺度すら持ち合わせていない。

 そんな牟児津でも、目の前で繰り広げられているものが素晴らしいということは、頭ではなく心臓で感じ取れた。気が付けば背もたれから体を浮かし、前のめりになって劇に見入っていった。


 「あ」


 つい、しかし極力小さな声で牟児津は呟いた。舞台の上でまばゆい笑顔を見せるその顔には見覚えがあった。バイオリンのような美しい旋律を、小鳥が踊るように軽やかに歌う少女がいた。それは、いつも牟児津の隣の席に座っているクラスメイトの顔だった。


 「宝谷ほうたにさんだ」


 牟児津の言葉に誰も気付かないまま、舞台は次々場面を変えて進んでいく。華やかな音楽と照明の演出、何より演者による魂のこもった舞台は、それが仮初めの物語であることを忘れさせる説得力があった。まるで本当にその場で人々が生きているかのような没入感さえあった。

 そして、一段と力強い音楽が鳴り響く。劇場全体が震えた。観客は直感で理解する。この劇の主役が登場すると。

 その姿が現れたとき、明らかに空気が変わった。五感の全てがその姿に集中し、それ以外の何も感じられなくなった。きらびやかな衣装に身を包み、あらん限りのライトを浴び、高らかに歌を歌いながら、彼女は現れた。その顔立ちを目にした牟児津は、


 「……あっ?あああっ!?」


 声を抑えきれなかった。すぐに口元を押さえる。しかし周りには瓜生田と益子しかいない。二人とも舞台上の人物よりも、声をあげた牟児津の方を気にしていた。


 「ムジツさん、大丈夫?」

 「ご……ごめん。なんでもない」

 「なんでもないはずないでしょう。どうしたんですか」

 「いや……あの人、さっき会った人だ」

 「えっ、本当ですか?あれ、おおとり先輩ですよ?」


 もう一度オペラグラスを覗いて、その顔を確かめる。服装は違うし化粧もしているが、間違いない。長いまつ毛ときめ細かな肌、中性的な顔立ち、自信にあふれた表情、髪型も髪色も、先ほどトイレの帰りに出会った人物に間違いなかった。


 「あの人、出演者だったんだ……」

 「なに言ってんですか!あの人、うちの演劇部の部長ですよ?学園でおおとり先輩を知らないなんてとんでもないことです!非学園生の烙印を押されても文句言えません!」

 「さすがに言うよ、文句は」

 「ファンが多いからね。演劇部の部長でプリマドンナ。男役が得意で顔も声も立ち居振る舞いもかっこいいから、ついたあだ名が“学園プリンス・デ・王子様イノセント”、おおとり 蕃花はんな先輩だよ」

 「なんだってうちの学園はそういう大袈裟な人たちばっかいるんだ」

 「ムジツ先輩もたいがい大袈裟な方だと思いますけど」


 また益子がオーバーに言っているのかと思いきや、冷静な見方ができる瓜生田でさえそんなことを言っている。もしかして本当に、自分以外の学園生全員が知っている人物なのだろうか。だとしたら1階でのやり取りも、鳳を知っている学園生からしてみればとんでもないことだったのでは。牟児津はそこまで考えて、嫌な汗をかいた。


 「瓜生田さん。本当に……ほんっとうに、ムジツ先輩のことよく見ていてくださいね。いつか悪い人に騙されますよ」

 「もっと物を知ろうね、ムジツさん」

 「さすがにぐうの音も出ない」


 非学園生の誹りは過剰だとしても、これほど大きな劇場を借りられる部活の部長にして主演級の人を知らないのはさすがに世間知らずが過ぎると、牟児津は反省した。つい先日も、自分が通う学園の生徒会長や副会長の顔も思い出せなかったことがあった。今度、学園の公式紹介動画でも観てみようと、ぼんやり考えた。

 牟児津たちが鳳について話している間にも劇は進み、いくつかの休憩や楽器演奏などの幕間を経て、ついにクライマックスへと差し掛かった。鳳演じる主人公が世界の果てを目指して冒険し、幾多の苦難や人々との出会いを通じて成長していくという物語だ。最後に主人公は、世界の真実が隠されているという部屋の鍵を壊し、その中で眠る自分自身を見つけた。今までのことは全て、果てしない冒険に心を踊らせる主人公が見ていた夢だったという結末だ。なんとも尻すぼみな筋書きも、鳳を初めとする演者たちの素晴らしい演技と、巧みな光や音の演出によって荘厳な物語へと昇華され、やがて舞台は大団円を迎えた。


 「ブラボーッ!!」


 暗転の後、演者たちが舞台に並び、笑顔で手を振る。感動してこれでもかと拍手を送るのは益子だけではない。劇場全体に、まさしく万雷の拍手が鳴り響いている。ゆっくりと緞帳どんちょうが下りるまでの間、下りきってもなお、喝采は止まなかった。終演を告げるブザーが鳴り、劇場内が明るくなってようやく、喝采は感動のざわめきへと変わった。


 「いやあ〜素晴らしかったですね!さすが鳳先輩!圧巻の演技でした!」

 「すごかった。うん、なにがすごいか分かんないけど、なんかこう、来るものがあった」

 「てっきりムジツさんは途中で寝ちゃうかと思ったよ」

 「さすがにあんなすごいの見せられたら寝てらんないよ」


 興奮冷めやらぬ様子で、益子が鼻息荒く舞台の感想を牟児津と瓜生田にぶちまける。その気持ちが共有できているからこそ、いつもはうるさく感じる益子のカンカン声も、今の二人には全く気にならない。サービスのドリンクが空になり、中の氷が全て溶けきっても、益子の胸は高鳴っていた。


 「こりゃあ良い経験になった。帰ってヒロに自慢しよ」

 「いやいやなに言ってるんですか。まだ帰っちゃダメですよ。ていうか帰れませんよ?」

 「え、なんで?」


 席を立とうとする牟児津と瓜生田に、益子が眉を吊り上げて言った。


 「校外公演では、演劇部の幹部部員と招待客で、劇の後に集合写真を撮るのが慣習なんですよ」

 「そうなの?私も知らない」

 「まあ演劇部や生徒会に関わってないとあまり知らないでしょうね。あとはまあ、詳しいファンなら知ってるかも知れませんが」

 「え?てことは私たち、さっきの人たちと写真撮んの?」

 「もちろん!いや〜いいですね!これで私たちも“学園プリンス・デ・王子様イノセント”とお近づきですよ!」

 「……やっべ。私、鳳さんのこと全然知らないのに」


 色々と思うことはあった。藤井はこのことを知っていてチケットを譲ったのだろうか。なぜなんの説明もせずに、こんなプレミアチケットを譲ってきたのだろう。ありがた迷惑も甚だしい。おかげで良いものは観られたが、今の何も知らない状態で鳳に会ったらとんでもないことになる。知らないだけで非学園生扱いだ。鳳に失礼を働こうものなら、演劇部員から袋叩きにされかねない。


 「益子ちゃん!鳳さんのことできるだけ教えて!取りあえず演劇部からボッコボコにされない程度に!」

 「ボッコボコかは分からないけど、私も聞きたいな。演劇部のことあまり知らないから」

 「おお!瓜生田さんにも知識マウント取れるとあっては教えざるを得ませんね!ふふん、いいでしょう!教えてあげますよあることないこと!」

 「あることだけでいいよ」


 こうなることを予想していたのか、あるいはこの機に乗じて演劇部を取材するつもりでいたのか、益子はカバンからいつものメモ帳を取り出した。何か起きたときにすぐ取材ができるよう、演劇部の主要メンバーについての情報は細かくリサーチしてきたのだという。そんなモチベーションでここに来ているのは益子くらいだろう。


 「えーっと、鳳蕃花先輩。入学は幼等部で、以来ずっと学園生で、初等部の頃から演劇に打ち込んでます。ちなみに演劇部の現副部長とは幼馴染みだそうです。通称“学園プリンス・デ・王子様イノセント”と呼ばれていて、学園の内外を問わず多くのファンを抱えています。演技や歌の才能はもちろん、端正な顔立ちと透明感のある低音が特徴で男性もしくは男性的な役柄を得意としています。男装の麗人ってヤツですね。そのため学園の内外問わず女性人気が高いです」

 「確かに、今日も女性のお客さんが多かったね」

 「演劇部はもともと人気が高くて部員数も多い主要部活のひとつですが、鳳先輩が入部してからは年間収支が過去最大の黒字を更新し続けています。偏に鳳先輩の人気と、その実力を遺憾なく発揮させる演出や脚本の支えがあってこそでしょう」

 「なんで微妙に上から目線だ」

 「日頃の学園生活に関してだと……実は情報が少ないんですよね。人気者ですから、いつもファンや部員がガードについてて、聞き込みで情報収集してもファンの贔屓目がありますから、なかなか正確な情報ってのを見分けるのが難しくて」

 「益子さんがそんなこと言うなんて珍しいね。有名人だしガードが固いのは分かるけど、普通そこまでするかな?」

 「はい!そこなんですけど、実はある噂がありましてですねえ」

 「なんだか誘導された気がするなあ」


 瓜生田の疑問を待ち望んでいたかのように、益子は大きな声で応じた。


 「2年前、鳳先輩が1年生の頃ですね。当時から大注目されていた鳳先輩ですが、とあるトラブルに巻き込まれてしまいました。これがまたなんとも重大なトラブルなんですが」

 「きいてほしそうだからきくけど、とあるトラブルってなに」

 「よくぞきいてくれました!な、な、なんと、鳳先輩の盗撮写真が学園内で売買されていたんですよ!」

 「めんどくせ〜。でなに?盗撮写真?」

 「授業を受けている姿や登下校中の姿、体育や昼休み、部活動や公演の舞台裏まで!様々な場面の鳳先輩を盗み撮りしたデータの売買記録が、学園の裏サイトから発見されたんです。単なるうわさかと思いきや風紀委員や教師までもが動き、盗撮犯とデータを買った生徒が特定されて厳しく罰せられたようです」

 「ふぅん。人気者ってのも大変だね」

 「それにしても、2年も前のことをよく調べたね」

 「今日これを観に行くと言ったら、寺屋成部長その他先輩諸氏から口を揃えてこの話をされました!相当大きな衝撃だったようですよ。当時の学園新聞の記録も見ましたが、もうそれ一色で」

 「インパクトはあるけど、口揃えて他人のデリケートな話を吹き込む新聞部の上級生が最悪だな」


 あまり詳しいことまでは分からなかったが、とにかく鳳は学園中が羨む人気者ということが分かった。それと、おそらくは触れられたくない事件の話も事前に知ることができた。万が一にでも踏んでしまったら体が吹き飛んでしまいかねない地雷だ。その存在を知れたのは大きい。

 鳳についてある程度の知識を得て、牟児津が自分の中で情報を整理したタイミングで、廊下につながる扉が開いた。その奥から、二人の女性が姿を現した。


 「あら?」


 ひとりは、線の細い儚げな印象を与える女性だった。ダークブラウンの髪を編み込んでまとめ、不思議そうな顔で長い指を自分の頬に這わせていた。つぶらな瞳と眉尻の下がった顔つきが、まるでアンティークドールのようだ。

 もうひとりは、比較的気が強そうに見える。うなじで切りそろえた髪の下を刈り上げてツーブロックにしており、吊り上がり気味の目が牟児津の天敵に近い雰囲気をかもし出していた。

 先に声を発したのはアンティークドールの方だった。


 「こちらは関係者席ですよ。席をお間違えではありませんか?」

 「あっ、い、いや私たち、あの」

 「チケットならありますよ。私たち、藤井先輩からチケットを譲って頂いて来ました」


 現れた二人は、この劇場の荘厳かつ絢爛な雰囲気と完璧に馴染んでいた。上品で、洗練されていて、美麗だった。相対する牟児津が、改めて自分が場違いな人間であることを自覚して萎縮してしまうくらいには。口がきけなくなった牟児津に代わり、瓜生田が説明した。


 「ということは、生徒会長方の代理というのは皆様のことですか?」

 「だ、代理?いやそんな話はひとつも……」

 「はいはいはいそうです!生徒会長以下三役の代理で来ましたです!」


 牟児津が余計なことを口走る前に、益子が大声で同意した。これは益子にとって、鳳に近付くまたとないチャンスである。みすみす逃すようなミスはしたくないのだ。そして当然のことながら、牟児津と瓜生田は正当にチケットを譲られてここに来ている。代理という話は聞いていないが、益子が言っていた関係者席の特典に関するだろうことは想像がついた。


 「うぅん。どうして藤井さんは来てくださらないのかしら……いえ、ごめんなさい。チケットをお持ちだからこそこちらにお座りになっているのですものね。失礼致しました」


 その女性は恭しく頭を下げた。なんだか分からないが、牟児津たちも合わせて頭を下げる。上げたままなのはツーブロックの女性だけだ。


 「私は演劇部副部長の樹月いつき 日向ひなたです。こちらは学年長の加賀美かがみです」

 「加賀美かがみ 星那せいなです」

 「は、はあ……ご丁寧にどうも」

 「お名前を頂戴します。生徒会長の代理の方から」

 「会長の代理はこっちの人です」

 「へぁッ!?」


 牟児津は瓜生田からのキラーパスを完全に取りこぼし、宇宙ヒーローのような声を出した。慌てふためいて瓜生田を見るも、樹月と加賀美から注がれる視線のプレッシャーに耐えきれず、大人しく流れに身を任せることにした。


 「あっ、む、牟児津真白です」

 「瓜生田李下、1年Aクラスで図書委員です」

 「1年Bクラスの益子実耶です!新聞部でーす!」

 「あっ、私は2年Dクラス……す」

 「牟児津さん。瓜生田さん。益子さんですね。承知しました」


 身を任せた結果、ひどく不格好な自己紹介になってしまった。樹月も加賀美も、それに関しては全くのノーリアクションである。却って辛い。

 樹月は再び恭しく頭を下げた後、じっと牟児津の顔を見つめ続けた。


 「な、なにか……?」

 「牟児津さん。失礼ですが、どこかでお会いしたことはありませんか?お名前を伺ったことがあるように思いますが」

 「樹月副部長。お話は楽屋で。部長がお待ちですので、参りましょう」

 「ああ、そうですね。ありがとうございます加賀美さん。それでは皆さん、鳳の元までご案内致します。こちらへどうぞ」


 加賀美に促されて、樹月は長い指でゆるりと廊下の奥を示した。牟児津たちは荷物を持って立ち上がり、樹月と加賀美に案内されて廊下に出た。まだ多くの客が1階のロビーにおり、グッズを売っている売店は大混雑している様子だった。牟児津たちはその人波を見下ろしながら、壁と同化した扉を開いて関係者専用のエレベーターホールに出た。そのまま一気に地下1階まで降りていく。


 「ああ、もしかして」


 エレベーターが降下している間、樹月が不意に口を開いた。


 「牟児津さんってもしかして、『黒板アート消失事件』の?」

 「え゛っ」

 「あとは、『図書館蔵書持ち去り事件』とか、この前の『部室のカギ争奪騒動事件』のときは田中副会長さんを論破して部室使用の権利をもぎ取ったとか」

 「尾ひれどころじゃないうわさが広がってる!違いますよ!あっ、えっとでも、違わないかも知れないですけど、論破はしてないです!部室ももらってないですし!」

 「やっぱり、学園新聞で見たあの牟児津さんね。そういえば、益子さんは新聞部でしたね」

 「はい!毎度ご購読ありがとうございまーす!私はムジツ先輩の番記者をしてて、いまおっしゃった後ろ二つの事件の記事は私が書いたんですよ!論破したとはさすがに書けませんでしたけど」

 「あんなカストリ新聞、読まない方がいいですよ」

 「書きぶりが面白いからつい読んじゃうのよ。私、脚本を担当してるから、ああいう事件からインスピレーションを得たりすることもあるのね。だから事実かどうかはあんまり重要じゃないの」

 「あれ?もしかしていま私の記事ディスられてます?」


 まさかこんなハイソなオーラ漂う上級生が、益子の三文記事を読んで自分を知っているなど、牟児津は思いもしなかった。なぜか実態とかけ離れた脚色がされていたが、樹月に顔と名前を知られていたことが、牟児津にはなんだかこそばゆく感じられた。目立つことは嫌いだが、人に知られることはそんなに悪い気はしない。

 エレベーターが停止して扉が開く。華美な装飾にあふれた地上階と違い、地下階は無機質な金属の壁と天井に囲まれた味気ない空間だった。劇の開演前に牟児津がトイレを求めて駆け込んだ廊下と同じだ。それどころか、正面にある祝い花で彩られた扉を見るに、同じ場所のようだ。


 「演者用のスペースはずいぶん殺風景ですね。祝い花が逆に寒々しく見えます」

 「演者はあくまでホスト側。地上階の装飾はゲスト用のものだから、ここにはいらないのよ」


 地上階と違い、一歩進むごとに足音が廊下に響く。上品な所作の樹月と加賀美でさえも、小さい足音を響かせていた。

 部屋の入口の前には大きな祝い花や鉢に入った花束が所狭しと並び、その辺りだけほんのりと甘い花の香りが漂っていた。入口の前に花があるというより、花の中に部屋の入口が隠されているようにさえ見えた。


 「牟児津さん。そちらの花束をお持ちください」

 「へ?な、なんで……?」

 「そちらは生徒会長からのお祝いのお花です。公演の際には、生徒会長から部長に花束を手渡していただく慣習です。本日は代理の牟児津さんからお渡しください」

 「はあ……そすか」


 言われるがまま、牟児津は生徒会長名義で贈られた花束を抱えた。藤井の白い肌を思わせる、慎ましくも美しい花だった。抱えて初めて分かったが、見た目よりもずっしりと重い。こんな重たいものを渡されても困るだろうと思うのは、花束を贈った本人ではないからだろうか。

 樹月は花の中に分け入って、扉を軽く叩く。両開きの扉には、『伊之泉杜学園演劇部 幹部生御一同様』という札がかけてあった。


 「どうぞ」


 扉の向こうから聞こえたのは、劇場内に響き渡っていたあの声だった。樹月はその声を聴いてから扉を開いた。



 〜〜〜〜〜〜



 中は、想像していたよりずっと広かった。ケータリングと言うのだろうか、様々な軽食や飲み物がテーブルの上いっぱいに並べられていた。その横にはペダル式のごみ箱が3つ並び、トイレや洗面台まで用意されている。壁沿いには照明付きの化粧台がいくつも並んでおり、ドライヤーやハンドタオルも完備してある。奥にはウォークインクローゼットが2つ見える。ひとつは衣装用、ひとつは私服用らしい。さらには、休憩用に、床より一段高くなった畳のスペースがあり、座布団や枕も積んである。

 しかしこの部屋で最も目を引くのは、部屋の中央にあるミニテーブルとセットの小さな椅子に腰かけ、長い足を組んで笑顔で紅茶を飲んでいる、鳳の姿だった。


 「おっと。生徒会長がお越しになったようだ。君たち、すまないが──んん?」


 入室した牟児津の顔を見て、鳳は目を丸くした。その戸惑いを感じ取ったのか、部屋にいた他の部員たちも、一斉に入口へ視線を送る。鳳の他には、全部で五人いた。大きな荷物を抱えて鳳の近くにいる三人──劇場の入口で見た生徒たちだ──と、舞台に上がっていた衣装のまま畳に寝そべっている女性、そして部屋の奥で菓子を食べている、舞台には現れなかった女性だ。


 「日向、彼女たちは?」

 「会長方の代理です。こちら、生徒会長代理の牟児津真白さんと、副会長代理の瓜生田李下さん、広報委員長代理の益子実耶さんです」

 「ど、ども……その節は」

 「なんと!君は僕にあんこ飴を恵んでくれた真白クンじゃないか!まさかこんなにも早く再会できるだなんて!これは運命だ!はは!君と僕は、何か強い力で惹かれ合ってのかも知れない!まるで太陽と月のように!」

 「それを言うなら地球と月ですよ」

 「ありがとう小雪こゆきクン。そう、つまりはそういうことさ!おいで、真白クン。あんこ飴のお礼をしなくてはいけない。瓜生田クンと益子クンも、どうぞゆっくりしていくといい。君たちは大切な賓客ゲストだ。この僕を救ってくれた真白クンの友人なら、僕の友人と言っても過言じゃない」

 「あははっ、さすがに過言じゃないですか?」


 鳳に手招きされた牟児津は、部屋のあちこちから注がれる視線を浴びながら椅子に腰掛けた。大荷物を抱えた三人はなんとなくそこから離れ、瓜生田たちと入れ替わるように入口近くまで移動した。瓜生田たちは牟児津同様、鳳の側に椅子を用意されてそこに腰掛けた。

 その様子に興味を持ったのか、畳の上に寝そべっていた女性は跳ね起きて近付いてきた。


 「やっほマッシー!ねえねえ。あなたたち、マッシーの友達?」

 「えっ、マ、マッシー?」


 その女性は、舞台上で軽やかに歌い踊っていた人だ。畳に寝ていたので衣装にしわができ、顔の化粧が畳の模様に剥がれている。しかし大きな目と天真爛漫な表情は、そんな些細なことなど気にならないほど輝いて見えた。


 「真白だからマッシー、って緋宙ひそらしか呼んでないけど。たぶんね。あなたたちも学園生なんでしょ?あなた、もしかしてうりゅ?マッシーがよく話してる子だよね。めっちゃ背ぇ高いね!」

 「ありがとうございます〜」

 「バレーとかバスケとかやってる感じ?あ、でも運動できないんだっけ?マッシーがそんなこと言ってたような。まあなんでもいっか。そっちの子は?」

 「私は新聞部の益子です!ムジツ先輩の番記者をしてます!」

 「バンキシャってなにー?でも新聞部ってことはあれじゃん、マッシーに付きまとってるっていう子か。へー。こんなとこまでついてきてんだからよっぽどだね!あ、自己紹介まだだった!マッシーとおんなじクラスの宝谷ほうたに 緋宙ひそらでーす。よろー♫」


 初対面の相手によくここまで捲し立てられるものだと、瓜生田と益子は感心した。ひとりで話しては自己完結して、たまに質問を投げたかと思えばまた話しだす。自己紹介もそこそこに、宝谷はようやく一息ついた。話し終わったということだろうか。


 「ってか、なんで生徒会長じゃなくてマッシーが来てんの?マッシーでそんなすごい人だっけ?なんか最近は有名人らしいし、副会長を言い負かして部室をぶん取ったってうわさも聞くけど、それでなんで生徒会長の代わりになれるわけ?すごくね?もしかして生徒会に顔が利いたりとかすんのかな。うわー、うちのクラスすっげーの抱えちゃった!」


 全然話し終わってなかった。ほとんど独り言のようなものだったが、瓜生田と益子はなんとなく相槌を打って、話を聞いている意思表示をしていた。初めの質問に答えてしまったことで、会話を中断させること申し訳なさを感じてしまう。益子にさえそう思わせるほど、宝谷からは無邪気のオーラが溢れていた。


 「ふふふ、緋宙クン。それくらいにしておきたまえ。彼女たちも困っているだろう」

 「えー、まだ聞きたいことあるのに」

 「まだ小雪こゆきクンも、彼女たちも紹介しなくちゃいけないんだ。いい子にしていてくれるね?」

 「んふっ、はーい」


 鳳が人差し指を口元にあててウインクする。こういうキザな仕草を自然とできるのが、王子様と呼ばれている由縁なのだろう。牟児津は状況に戸惑いながらもそう感じた。


 「改めて、僕は演劇部部長の鳳蕃花だ。よろしく。麗しき淑女レディたち」

 「ぽ〜……」

 「益子さん、見惚れてないで握手しないと」

 「あっ、す、すみません」

 「日向と星那クンの自己紹介は済んでいるね?さて、他にも僕の大切な友人たちを紹介しよう。小雪こゆきクン」

 「はい、部長」


 鳳に呼ばれて、奥で菓子を食べていた女性が立ち上がった。鳳を王子様、樹月をアンティークドールとするなら、彼女は大和撫子だった。着ているのは牟児津たちと同じ学園の制服なのだが、たおやかな表情や控えめで優しい所作は、和服が似合うだろうと思わせる雰囲気を醸し出していた。


 「彼女は、僕たち演劇部員にとっては最も重要な役割を担う演技指導監督、吉永よしなが 小雪こゆきクンだ。僕と同じ3年生だけど、僕よりずっとしっかりしているよ」

 「初めまして、吉永と申します。どうぞよしなに」

 「ど、ども……」


 深々とした吉永の礼に、牟児津は無意識に体が硬くなった。


 「吉永センパイのパパとママって、有名な俳優なんですよね!」

 「ほう?そうなんですか!」

 「皆様が御存知かはどうか──」

 

 そんな前置きから飛び出した名前は、牟児津でもよく知っているほどの超有名俳優夫妻の名前だった。平日のゴールデンタイムで放送されているドラマにも出演している、大ベテランだ。

 夫は、持ち前の強面と低くドスの効いた声で、渋くて迫力のある役柄が多い。妻は美魔女とも呼ばれる妖艶な魅力を漂わせたクールな女性で、寡黙でミステリアスな役を得意としている。いずれも芸能界の重鎮であり、バラエティには出演しない、芝居にストイックな俳優として知られている。


 「めちゃくちゃ有名人じゃないですか!謙遜が逆に嫌みに聞こえるくらいに!」

 「でっしょー?だから吉永センパイの指導って、めっちゃ分かりやすいしめっちゃ身になるんだけど、レベル高くてさ!もう大変!ヤバい!鬼!」

 「宝谷さん?」

 「くけっ」


 それ以上、牟児津たちは宝谷の言葉を聞くことはなかった。吉永が一度名前を呼んだだけで、宝谷は鶏のような声を出して黙ってしまった。天真爛漫だった表情はすっかり青ざめてしまっている。


 「口は災いの元、ということだね。本当に、真剣なときの彼女には僕も頭が上がらないよ」

 「おほほ。ちょっと失礼します。宝谷さんにしないと」

 「ほどほどにしてあげてくれ。それでは、彼女たちも紹介しておこう」


 そう言うと鳳は立ち上がって、牟児津たちが来るより前に話していた三人の生徒たちを招き寄せた。

 

 「彼女たちは、僕のファンクラブさ」

 「ファンクラブ?そんなのも作ってんですか」

 「同好会だよ。演劇部と直接の関係はない、独立した部会さ。それでも、公演の度に楽屋挨拶特典のチケットを手に入れてくれるから、すっかり顔馴染みさ」


 一列に並んだ三人は、一様に牟児津のことを見ている。それは睨むような視線であったり、不思議がるような視線であったり、物珍しそうな視線だったり、様々だった。そしてそのどの視線にも、牟児津はそう思われる心当たりがなかった。


 「順番に紹介しよう。こちらから、3年生の出町でまち 浮杏ふあんクン」

 「よろしくね!」

 「2年生の曳木ひいき 絵子えこクン」

 「……す」

 「1年生の徳井とくい さきクンだ」

 「どうぞよろしくお願いします」

 「はあ……」


 出町は、頭の上で2つに結んだ桃色の髪がカニのハサミのように見えた。上級生だが、気さくな感じで手を振ってくれる。よく見ると、抱えたカバンには演劇部関係のグッズがこれでもかと詰まっていた。相当な鳳ファンであることが窺える。

 曳木は、ヤマアラシのように尖った髪の毛とチェック柄のカーディガン、そして牟児津を睨みつける刺々しい視線が何より目立った。口数は少なく声も低い。どう見ても牟児津に不信感、あるいは敵意を持っている目だ。牟児津は、いかにも厄介そうだと感じた。

 徳井は三人の中で一番背が低く、目元に髪がかかっていてよく見えない。前が見えているのか心配になる。最年少であることも相まって、なんとなく恐縮しているような印象を受けた。荷物も三人の中では一番小さい。


 「みんな、こちらは生徒会長代理で、僕の恩人の牟児津真白クンだ。これから仲良くしてくれたまえ」

 「こ、これから?」

 「そうさ。今後も藤井クンの代わりにあいさつに来てくれるんだろう?歓迎するよ!」

 「ち、違いますよ!今回だけ!たまたま!」

 「そう……なのか。残念だ」

 「へっ?」


 それは、社交辞令や鳳のキザったらしさから出た言葉とは違うように思えた。表情も、声色も、仕草も、演じていると言えばそうかも知れないが、牟児津にはなぜか、それが偽りだとは感じられなかった。


 「それじゃあ、真白クンから花束を受け取るのも最初で最後というわけだ。そう思うと、特別な経験のように思えるよ」

 「はあ」

 「ムジツ先輩!これすごいことですからね!本当は生徒会長にならないとできない体験なんですからね!心してくださいよ!」

 「分かった分かったよ」


 やけに鼻息を荒くする益子に詰められて、牟児津は困惑しつつも、さっさと鳳に花束を渡して帰ろうと思った。これ以上この部屋にいても、ファンクラブからは変な視線を向けられ、鳳のキザな仕草を見せつけられながら、宝谷に弄り倒されるだけだ。

 牟児津は鳳にエスコートされて、写真写りが良いように白い壁の正面で鳳と向かい合った。そして、教えてもらったとおりの所作で、花束を鳳に手渡した。


 「今回の公演も大盛況、満員御礼、おめでとうございます」


 これも、たったいま頭に叩き込んだ形式的な祝辞だ。


 「ありがとうございます。それでは……いつもはしないけれど」

 「んえ?」

 「生徒会長代理の役目をしっかり果たした真白クンへ。僕から花を一輪、プレゼントしよう」


 それは聞いていない。周りの演劇部員も目を丸くしている。どうやら鳳のアドリブらしい。そんなことをしていいのか、という牟児津のつっこみは形になることなく、鳳は受け取った花束の中から一輪の花を摘まみ、そして引き抜く。


 「あっ」


 牟児津の目の前で、花火が弾けた──ように感じた。真っ白な、音も熱もない、比喩でもなんでもない花が舞う。似たような光景を最近見た気がする。

 しかし、明確に違うものがあった。弾けた花束の中から現れた、白い炸裂に似つかわしくない、黒い塊。それは白い花が舞う中を、床へと最短距離で墜ちていく。ごとっ、という鈍い音とともに、それは牟児津たちの眼前に横たわった。


 「えっ?」

 「な、なに──?」

 「カメラだ!隠しカメラ!」

 「ッ!!」


 誰かの声が響く。出町だ。床に落ちたそれの正体を叫んだ。

 次に動いたのは樹月、そして吉永だった。樹月は鳳とカメラの間に立ちはだかり、すぐさま鳳を下げてカメラから距離を取らせる。吉永はカメラを拾い上げ、そのレンズを床に伏せた。牟児津たちが、何かが起きた、と頭で理解したとき、その行動は既に終わっていた。


 「な、なんですか!?なにが──!?」

 「取り押さえろ宝谷!そいつを!」

 「はあっ!?ちょ、い、意味が分かんないよ!」

 「ならどけ!私が捕まえる!」

 「えっ?えっ?わわわっ!ま、まってまって!何がなんだか……!」


 状況が理解できないまま、牟児津は背後から加賀美に羽交い締めにされた。近くにいた宝谷に目で助けを求めるも、宝谷は軽いパニックになっていて全然目が合わない。そうしている間にも、3年生たちは各々が為すべき行動を的確に進めて行く。


 「蕃花!大丈夫!?花粉は!?トゲは!?かぶれとか、なんともない!?」

 「う、うん……!なんとも……!」

 「宝谷さん!1階に行って劇場のスタッフを呼んできて!すぐに!」

 「うええっ!?は、はい──はっ?」


 吉永に指示され、宝谷はようやく我に返った。そして指示通りスタッフを呼ぶため部屋を出ようとした。

 が、出られなかった。部屋の扉の前で、宝谷は呆然としていた。明らかに様子がおかしい。たまらず出町が駆け寄る。


 「宝谷さん!大丈夫!?」

 「あ、あの……これ、どういうことですか……?意味が……!」

 「えっ……!?」


 その扉には、鍵がかけられていた。

 両開きの扉の取っ手をつなぐように、太い金属の棒が貫いていた。正面に小さな鍵穴が1つだけある、スミレ色に塗り潰された頑丈な錠前。それが、この部屋唯一の出口を、完全に封鎖していた。

 出町は調べる。鍵がかかっているのか。何かの間違いで外れないか。本物の鍵なのか。それは疑いようのないくらい頑丈な錠前であり、いくら揺すってもビクともしない。であるからして、当然、扉を開くこともできない。


 「あ、あの……扉に鍵がかかってて、出られません!」

 「はあっ!?ちょっ、何言ってんですか!?そんなバカなこと──!」


 出町の信じがたい発言は、しかしすぐに全員にとって揺るぎない事実へと変じた。それを前にした一同は青ざめる。この部屋に閉じ込められたという現実に、体の芯が凍えるような悪寒が走る。


 「どうしてこんなものが……!?いつの間に!」

 「ちょっとアンタ!どういうことだよ!」

 「いてててっ!し、知らないって!ちょ、外れる……!」

 「加賀美さん。もう結構、離して差し上げて」

 「えっ、で、でも」

 「離しなさい。まずは、落ち着いて。冷静になることです」

 「……くっ」


 樹月に諭され、加賀美は牟児津をキツく睨んだ後、そっと手を離した。牟児津は反動でふらふらと歩き、瓜生田に受け止められた。後ろに回された腕が痛む。


 「皆さん、いきなり大きな声を出して申し訳ありません。驚かれたでしょう」

 「い、いったい何が……?いま、どういう状況ですか……?」


 楽屋の中に混乱が広がっていく一方で、樹月たち3年生はあくまで冷静だった。まるで、こうなることを予測していたかのような、適切かつ迅速な行動だ。だからこそ、今の状況とその危険性を理解するのも早い。


 「まず、生徒会長から贈られた花束の中から、隠しカメラが見つかりました」

 「か、隠しカメラ……?なんでそんなものが……?」

 「残念ながら、こういったことは往々にしてあります。ですが、まさか生徒会長の花束に仕掛けられているとは……」

 「ひ、日向!真白クンは違うぞ!そんなことをする人じゃあない!」

 「それはこれから判断することよ、蕃花」


 瓜生田と益子にとっては、その前に花束が急に弾け飛んだことへの説明も欲しいところだった。が、それは当然のこととして受け入れる空気になっており、とても口を挟めなかった。


 「次に、部屋の唯一の出口が、なぜか施錠されています。開けるには錠前に対応した鍵が必要です」

 「なら鍵は?」


 曳木のその言葉に、答える者はいなかった。誰も名乗り出ない。それが何を意味するのか、それだけはすぐに全員が理解した。


 「いや……外に助けを求めることはできませんか?電話で他の演劇部員の方を呼ぶとか。劇場のスタッフでも」

 「それは難しいんじゃないかしら」


 最悪の可能性を誰かが口にする前に、瓜生田が解決の糸口を探る。またしても牟児津が疑われる状況になってしまったからには、とにかく今は事態の混乱を避けるのが最優先だ。牟児津が自力で解決するにしろそうでないにしろ、隠しカメラと鍵の両方を同時に対処することはできない。

 だが、瓜生田の提案は吉永に一蹴された。


 「ここ、地下でしょう?電波が通じないの。だから電話やチャットで人を呼び出すことができないのね。それにこの楽屋は、私たち幹部生専用。一般生は入室を許可されていないので、よほどの用がない限りは近付くこともしないわ」

 「よほどの用に期待するのは?」

 「どうでしょう。私は演劇部に入って3年目になりますけど、一般生としてここに来たことはありませんし、一般生を迎えた経験もありません」

 「つまり望み薄ってことですね!う〜ん、これは詰んだかも知れないですねえ」

 「つ、詰んだというのは……わ、わたしたち、出られないということですかあ!?」


 徳井が悲鳴をあげた。悲鳴をあげたいのは牟児津も同じだが、ここでパニックになっても仕方がない。それに、詰んだというのは間違っている。この状況で詰むことなどあり得ない。必ず脱出の手立ては残されているはずなのだ。


 「い、いやちょっと待って!」

 「なんだい真白クン。人を呼ぶ手段があるのかい?」

 「そうじゃなくて……この鍵、内側にかかってるじゃないですか。ってことは、鍵をかけた人もこの部屋の中にいるってことですよね?だったら、その人は鍵を持ってるんじゃないですか?」

 「え……い、いやでもマッシー……それってさ」

 「う、うん……」


 同時に全員が気付いた。否、気付いてはいた。だがその事実を改めて認識したとき、再び悪寒が走った。ただひとり、益子だけは、面白くなってきたと言わんばかりにメモ帳とペンを取り出した。

 そして牟児津は、まさかこの台詞を口にするときが来るなどと思っていなかった。しかし気付けば、自然と口が動いていた。


 「犯人はこの中にいる。っていうことです」

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