第2話 日常、白
授業中、1番不真面目と捉えられるのはどうあっても私だろう。私の頭を掠めるような先生の視線を感じる度に申し訳なさと見てんじゃねぇって怒りが湧いてくる気がする。6秒程で頭が冷静になる。ーやはりヘッドホンは目立つよな。
本日30何回目かのため息をついたところで4限終了のチャイムが鳴った。ザワザワと元気を取り戻してきた教室は、お昼ご飯の匂いと幸福の[桜色]で充満し始めていた。
胸焼けがした。......おかしい、いつも授業が終わってすぐ迎えにくる茜が迎えに来ない。ふと、茜の席を目に移すと、何やらお隣さんと噂話に花を咲かせていたようだった。
先に行くか。ドアへ1歩進んだその瞬間の強い衝撃.....
「痛っっ...!」[白]
倒れたのは相手の方だった...?目の前には比較的色白で最近流行っているのかセンター分けの髪型としたの男生徒が尻もちをついていた。
「すみません!大丈夫ですか!?」
「大丈夫〜!それよりも音楽の教科担任の
ゆったりと教室を見回す。
私はあまりのマイペースさにしり込みしてしまった。
「真澄さん、お昼休みには教室に帰って来ないんです!雪白おまたせ、いこ!」
私たちは教室を飛び出した。視界の片隅に「ありがとう!」と叫ぶ男生徒と三角形の謎の物体を残して。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
世界は僕にとって変化のないものとなった。その世界は日常を送る上ではなんの不自由もない。
あの日の近いは日を追う事に薄れていった。僕は呪いのせいでなにか損をしているような気になった。だがせっかく変化のない平穏を手に入れたというのにそれを手放すのは勇気が必要で、僕は胸の中であの日、呪いを喜んで受け入れた僕を刺し殺した。
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