クボタさんの魔物図鑑 その100

No.122 エルキス

魔獣類ツノキバゲイテイ科


体長 5.7m

体重 4855kg


能力値

『力』3368

『魔力』430

『機動力』2981


討伐依頼受諾可能最低ランク

B(推定)


・我が国には生息していない。

・※『エスウィン』の事を調べている最中に、この魔物の事も知った。


コイツの名はエルキス。身勝手に他の生物を傷付ける人間達に罰を与えるため、神々が地上に送り込んだと噂されている魔物だ。


エルキスは大きな猪のような姿をしており、全身が驚く程の青さをした体毛で覆われている。そして、今のところ一匹しか生息が確認されていない魔物でもあるらしい。


……以前似たような魔物を紹介したのでもうお分かりかもしれないが、コイツこそがあのエスウィンと対をなす存在なのだ。


しかし、『対をなす』と言うのは人間が彼等の姿を見てそう噂しているだけのようで、実際のエルキス、エスウィンは共に行動する事は殆どないと言う。


が、『殆どない』のである事にはあるのだ。

事実、エスウィンが討伐されそうになった時、突然何処からか現れたエルキスが加勢に入り、数名いた戦闘職の人間を返り討ちにしてしまったと言う話もあるらしい。


それと、コイツもエスウィンと似たような習性、性格をしており、攻撃対象は人間のみ……だから我々にとってはアレと同じように、コイツもまた危険な存在なのだ。


また、そのためエルキスも討伐依頼がしょっちゅう出されるのだが……エスウィンよりもコイツはやや強いので、こちらに出された依頼は殆ど引き受ける者がいないのだそうだ。


そうそう、言い忘れていたがコイツの牙も俺の元いた世界の猪とはまた違ったようなものをしている。


その牙は先端が丸く、突起のようなものが付いているためにボコボコとしているのだ。


ちなみに、エルキスはそれの有効な使い方を熟知しているようで、牙で突き刺すのではなくそれを鈍器のように振り回したり、叩きつけたりして攻撃してくる。


そのせいかどちらとも戦闘経験のある猛者に「実際戦ってみて、どちらの方が強かったか」と聞くと、皆が口を揃えて「絶対にエルキスの方が強いし、やり辛い。」と言うんだそうだ。


そして最後に余談を少しさせてもらうが……


エルキスとエスウィンは滅多に行動を共にしない割には、出会った時にはとても仲が良さそうにしていると言う。その姿はまるで、兄弟のように見えるんだそうだ。


また、この行動がきっかけでコイツらは対をなす存在として人々に認知されたらしい。


……やはりコイツらは、何か目的があって地上へとやって来たのかもしれないな。






注釈


※ エスウィン 『クボタさんの魔物図鑑 その99』にて紹介

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