クボタさんの魔物図鑑 その99

No.121 エスウィン

魔獣類ツノキバゲイテイ科


体長 5.3m

体重 4470kg


能力値

『力』3025

『魔力』311

『機動力』2593


討伐依頼受諾可能最低ランク

C(推定)


・我が国には生息していない。

・コイツは最近、国境付近の山にいる姿が確認されたらしい。街の人々がそう噂しているのを聞いて、この魔物の存在を知った。


神々が悪戯に他の生物の命を奪う人間達に制裁を加えるため地上へと送り込んだと言われているこのエスウィンは、全身が真っ赤なとても大きい猪のような魔物だ。


この魔物、調べてみた所戦闘能力の数値や体長、体重がやけに細かく記されていた。


それを疑問に思い、更に調査(人に聞いたり本でコイツの事を調べたりしただけなんだがな)を重ねた結果……なんとコイツはこの世界に一匹しかいない魔物だという事が分かった。


なので神々がどうとかは正直信じられないが、『何かしらの理由を持ってコイツは誕生した』という可能性なら充分にあると俺は思う。


とはいえ、エスウィンには前述した「神々がうんたら……」と言われるだけの理由は沢山あるようだ。


その理由の一つが、『コイツは人間しか攻撃しない』だ。


むしろ他の生物には心優しく、それが困っていたとすれば自分と全く種族の違う魔物にさえ手を差し伸べると言う。


またそのような事からも分かる通り、コイツは見た目に反して非常に知能が高い。下手に力しか取り柄のないデカい魔物なんかよりも遥かに手強い相手なのだそうだ。


攻撃は主にその大きな牙で行われるらしい。

ちなみにコイツの牙は俺の元いた世界の猪のように湾曲してはおらず、真っ直ぐな槍のような形をしている。


だからそれが直撃したとなれば、どんなに強い戦闘職の者であろうと致命傷は免れないだろう……


次によく言われる理由が『コイツは色々な場所に現れる』だ。


そう、コイツは一定の住処を持たず、あらゆる場所での出没が確認されている魔物なのだ。残念ながら何故そうするのかは分かっていないが……


ちなみに、信心深い者達はそうして移動しているエスウィンを見、「エスウィンは神のご指示により、人間達に罰を与えるためああして歩き続けているのだ。」とか何とか言っているらしい。


まあ、そう言いたくなる気持ちも分かる。

本気を出せばその場所のヌシになれるくらい強く、恐ろしい魔物がそうするワケでもなく、各地をウロウロとしているのだから。


ワケが分からない事は神のせいにするしかないだろう……そいつらは多分、本気で言ってるんだろうけどな。


最後にちょっとした話を一つ。


実は、コイツと対になる魔物がいるらしいぞ。

見た目的にも、噂的にもな。

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