クボタさんの魔物図鑑 その96
No.118 ウィングル
魔鳥類カツラドリ科
体長17〜20cm
翼幅29cm前後
体重34〜41g
能力値(野生下での平均値)
『力』30〜38
『魔力』0
『機動力』480〜500
討伐依頼受諾可能最低ランク
G
・カムラ地方に生息。
・寒い日にはウチの厩舎に入り込んでいたりもするので、割とよく見かける。
鳥の鳴き声は聞こえるのに、声の主がいるであろう辺りにはもこもこのボールみたいなのしか見当たらない。
カムラ地方では上記したような事がよくあるが、それは大体ウィングルの仕業……というか、そのモコモコボール自体がウィングルなのである。
まずこの魔物、そこまで大きくないし、勿論全然強くもなければ、攻撃的な性格もしていない。なので初めて見た者からでも『暖かそうだな。』くらいの感想しか出てこない。
だからコイツは見た者に対してそのように温もり(?)を与えてくれるだけの、無害で可愛く、ふわふわな魔物なのだ。
そんなウィングルは木の実や※『ドコイル・ノカ』等を主食としている。だがごく稀にドロップ地方に赴き、自分よりも小さな魔虫類の魔物を食べる事もあると言う。
この魔物最大の特徴といえばカツラドリ科である事からも分かる通り、長く、量の多い『頭髪』であろう。
そうだ。ウィングルを覆い尽くしているこの〝ふわふわ〟は、体から生えているのではなく全て頭から垂れ下がっているのだ。
体は普通の鳥のようなものをしている。
飛べば小鳥が一反木綿にストーキングされてるみたいになるので、それが本当かどうかはすぐに分かるぞ。
しかしこの頭髪……飛んでいる時も勿論そうだが、これがあるせいで毎回飛び立つ時にかきあげるような動きをしなければならず、ちょっと邪魔そうではある。
ではあるが、これはコイツの命を守るとても大切な『防具』でもあるため、可能だったとしても取り外してはならないのだ。
ウィングルの頭髪は、捕食者に襲われた時の『身代わり』になるのだから。
地上にいる時は全身を包み、飛んでいる時は体よりも上にある頭髪、これが前者では肉体を敵の攻撃から保護し、後者では前述した位置にあるため、『ウィングルの頭上から爪を立てて落下して来る他の魔鳥類の魔物』から守ってくれるのだ。
ちなみにコレ、襲われた時に丸ごと持っていかれないようにするためか、割とすぐプチっと取れるらしい。
だからと言うか普通に可哀想なのでダメだけれども、イタズラ目的で引っ張ってはならないぞ?
そんな事をしたら、コイツは丸坊主になってしまう。
注釈
※ ドコイル・ノカ 『クボタさんの魔物図鑑 その57』にて紹介
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