クボタさんの魔物図鑑 その95

No.117 ゴリアース・プラント

魔草類アスタープラント科


高さ 不明(デカ過ぎるし、どこから測ったら良いか分からないからだ。)

重さ 不明(上と似たような理由だ。)


能力値(野生下での平均値)

『力』4000〜4800

『魔力』1650〜3000

『機動力』100〜350


討伐依頼受諾可能最低ランク

B(A推奨)


・我が国に生息しているのは魔王城にいる一匹のみ。

・ザキ地方訪問時に見ていたらしいし、例の姉ちゃんが薦めてくれた本にもコイツの事が書いてあった。そうそう、この姉ちゃんから聞いたのだが、彼女の兄はプレゼントを本に決めて告白し、無事に意中の女性からOKの返事を貰えたようだ。兄ちゃんは俺に感謝しているらしい。でも彼が本当に感謝すべき人物はプレゼントを一緒に選んだであろう妹だと思う。今度会ってまだ勘違いしているようなら、そう教えてやろう。


ゴリアース・プラント……

コイツは魔草類最強クラスの『力』と途方もなく大きな体を持ち、『植物で出来た巨人』とも称される、あらゆる意味でビッグな魔物だ。


しかし、我が国には魔王城にいる奴一匹しか生息していないのでそこに行かなければ多分、交戦する事はない。よってコイツに怯える必要もまたないと言えるだろう。


コイツは水分だけでも充分生きられるようだが、他の魔物が林か何かと勘違いして〝中〟に入ってきたりすると、捕らえてそのまま食べてしまう場合もあるらしい。どうやって捕らえるのかは……想像したくもないな。


あ、そうそう。上記した内容でも軽く触れているのだが、俺はコイツを見た事があったらしい。


それは勿論、魔王城見学ツアーとなってしまったあの時だ。


魔王城を囲っていたちょっと動く生垣、どうやらあれがコイツだったようだ……やっぱりとんでもなくデカい魔物みたいだな。


……それで思い出した。

実は、全く同じ姿をしているゴリアース・プラントと言うものは存在しないらしい。


これは『コイツが移動出来るため』が最も大きな要因だとされている。


そう、コイツある程度成長すると地面を離れて動く事が出来るようになるのだ。


そうして各々好きな場所で生活し、姿形を変化させるので、魔王城にいる個体のようにただただデカい植物みたいな奴もいれば全く違うような姿をしている個体も当然存在する。


それがどのような姿なのかと言うと、まるで生物のような姿をしているものもいれば人型をしているものもおり……果てはひたすらにその身を広く伸ばし、一つの地域をまるごと覆っているものさえいるらしいぞ。


コレ、我が国では意外と知られていないので是非、覚えておいて欲しい。


まあ、一匹しかいないから知らないのは当然と言えば当然、なんだけどな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る