クボタさんの魔物図鑑 その93
No.115 ヒューマン・ゼリー
不定形魔水類ミズタマモドキ科
体長 80cm〜1m
体重 80〜90kg
能力値(野生下での平均値)
『力』400前後
『魔力』1000〜1200
『機動力』140〜160
討伐依頼受諾可能最低ランク
F
・我が国の様々な所にいるが、特にカムラ、ザキ、ロシバ地方に何故か多くいるようだ。
・ロシバ地方への定期便を動かしている兄ちゃんからこの魔物の話を聞いた。そうそう、少し前にこの兄ちゃんと飲みに行ったのだが、やはりその時彼は好きだと言う女性の事ばかり話していた。
コイツはスライムの亜種、変種のような魔物であり、彼らと同じく割と色々な場所でその姿を見る事が出来る生物だ。
確かに色々な場所で見る事は出来る……が、個体数自体は少ない。なのでスライム達なんかよりもレア度が高い魔物だと言えるだろう。
コイツは名前通り常に人のような形をしており、それを崩す事はごく稀である。
餌となるものは植物、木の実、小型の魔物等々、つまりは雑食だ。
ただし、その中でも特に『大きなもの』を好んで食べるようだ。恐らく何でもかんでも食べる※1『プチスライム』とは違い、そうして栄養とボリュームのあるものを選んで食べなければそのまあまあ大きな肉体を維持する事が出来ないのだろう。
また、そのような事もあってかカムラ地方にいるヒューマン・ゼリーはよく※2『マンドラゴラ』を引き抜いて食べているようだ。
確かにコイツらは耳が無いのに腕があり、マンドラゴラを捕獲するには最も適している〝人物〟だと言える。
それにマンドラゴラの方は動く事の少ない、ある程度大きさのある魔物なのでコイツの餌としてはピッタリであろう。
逆に言えば、ヒューマン・ゼリーはマンドラゴラにとって一番の天敵となる……
そして、コイツはどうして人型なのか?と思った方もいるかもしれないが、どうやらこれは、戦闘職が使っていた魔力を持つ武器や道具……所謂『魔具』を吸収してしまったのが原因とされているらしい。
それにより高い魔力と、更には知力をも得たヒューマン・ゼリーは、誕生と共に見た『他の魔物を薙ぎ払い、依頼をこなす人間達』に姿を似せる事こそが種の存続に最適な方法だと考え、今こうして生きているのだろう……
まあ、これは仮説の一つをそっくりそのまま読み上げただけなんだがな。
注釈
※1 プチスライム 『外伝 クボタのスライムメモ』にて紹介
※2 マンドラゴラ 『第一章五話 絶叫する人根』にて紹介
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