クボタさんの魔物図鑑 その88

No.110 マルガイラ

不定形魔鳥類マモノモドキ科


体長(翼含む) 3〜3.9m

体重 40〜70kg


能力値(野生下での平均値)

『力』500〜900

『魔力』0〜500

『機動力』300〜1200


討伐依頼受諾可能最低ランク

E


・特定の生息地は無いみたいだ。

・例の姉ちゃんが薦めてくれた本で存在を知った。ちなみに俺はクレーマーを追い出した事でその姉ちゃんに感謝され、礼として一緒に食事に行く事となった。


もしも、もしも屋外にいて、いくらなんでもというくらいの、流石に多過ぎるだろうと言いたくなるくらいの、そんな量の〝鳥の羽〟が頭上から舞い落ちてきた時、心臓の弱い者は上を見ない方が良い。


そこにはほぼ間違いなく、マルガイラがいるからだ。


コイツは不定形魔鳥類に分類されている魔物だ。

すなわち、『何だコレは!?生き物なのか!?』とでも言ってしまいそうな見た目をしているのである。


それはまるで鳥達が何の秩序も持たぬままに互いに絡まり、組み合わさったかのような姿なのだ。


また、そうした姿にも関わらず、恐ろしい事に何故か頭だけは一つもない。なので何を食べているのかは今の所分かっていない。


しかし、目だけは二つ程持っているんだそうだ。体の奥深くにあり、個体によってそれがある場所が全く違うらしいので正確な位置までは分からないが。


生息地は現在発見されておらず、特定の住処を持たずに移動するタイプの魔物だと推測されている。


なので数は少ないが、色々な場所に現れるんだそうだ。ちなみに、俺がコイツを初めて見たのはロシバ地方だった。


あと一つ言い忘れていたが、鳥の集合体のようなこの魔物は当然ながら二つどころではない程の翼を有している。それがあるために、比較的重量があってもコイツは飛ぶ事が出来るのだ。


……逆に変な場所に翼が付いていたり、それが密集してしまっている場合には飛び立つ事が出来ず、地上でバタバタと羽ばたくばかりな個体もいるらしい。


そうした個体も、普通通り空にいる個体も、(要するに全部だな)見ていると気味が悪くて仕方がないのでそういったものが苦手な方は気を付けよう。確実にトラウマを植え付けられてしまうからな。


さて、そんなマルガイラだが……

ここまで聞いてみて、コイツの正体に気が付いた方はいるだろうか?


いるかどうかは分からないが、そろそろ正解をお伝えするとしよう。




コイツの正体は※『キマイラ(C級)』の変種だ。だからこんなにヘンテコな見た目をしているのだ。






注釈


※ キマイラ(C級) 『第一章二十一話 十把一絡げ』にて紹介

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